大手前学園のこれから

さらなる成長をめざす大手前学園の
今後のアクションプランをご紹介します。

大手前学園のこれから

大手前大学

大手前大学 学長 鳥越 皓之
大手前大学 学長 鳥越 皓之

大手前の新しい風

大手前大学に「新しい風」が吹き始めています。
吹き始めた理由は、社会の大きな変化によってです。従来の大学は、明治から昭和に至る「近代社会」の産物と言える側面がありました。すなわち、近代社会は産業社会という特徴をもっていて、その産業社会に見合った組織のリーダーを育てることが大学の大きな使命のひとつでした。リーダーに必要な人生哲学、人間関係論、そして市場システムをはじめとした社会システムというものの理解などが大学教育として期待されてきました。また、産業社会に見合った技術をもつ技術者の養成も、それに並ぶもうひとつの使命でした。

ところが、時代が平成に入り始める頃から、社会はポストモダン(脱近代)とよばれる時期を迎えたとの指摘が生まれ始めました。このポストモダン社会の特色は一言でいえば「多様性の評価」です。人はそれぞれの価値観にもとづいて、自分らしい道を歩むことが大切だという考え方に変化してきました。今では、自分や自分の家族を犠牲にしてまで産業組織に身を捧げるという生き方は、やや古い考え方と思われるようになってきました。

「自分らしい道を歩む」という価値観は、自分ではない他者もまた個別性をもって生きることを是認する考えを生み出しました。それは能力主義や門地にもとづく差別感を弱めることにもなってきました。
そのような社会の変化と大学の変化とは無縁ではありません。大手前大学もポストモダン社会に対応して、現代社会に生きる人たちに真に求められる教育を用意する必要を痛感し、カリキュラムの改革をはじめとして、さまざまな改革を積極的に行い続けています。そうした改革は、私たち大学の構成員にとっても、さわやかな新しい変化です。それを大手前大学の新しい風と呼んでいるのです。
まず、既存3学部の垣根をできるだけ低くし、新入学の学生たちが授業を受ける中で、自分が本当に勉強したい分野の科目をとれるように配慮をしました。これは、学生の自主的な勉学を促し、第三者評価機構の高い評価も得ております。

かつての大学一、二年生を対象とした「教養教育」の変革に対応するものとしては、一、二年生を対象としたキャリア・デザインという少人数制の基本教育を設定しました。この基本教育には教員も力を結集しており、これらを受けながら、じっくりと自己の適性を判断させて専門に学ぶべきものを選択させるレイトスペシャライゼーション、それを可能にさせるMyカリキュラムスタイルを定着させるよう努力してきました。
またグローバル化が必至の社会の要請にあわせて、IIE(国際教育インスティテュート)を立ち上げ、GBS(グローバル・ビジネス・スタディーズ)、GJS(グローバル・ジャパン・スタディーズ)など英語でのプログラムを行って学生の英語コミュニケーション能力を高めるとともに、実践英語能力の飛躍的な向上を図っています。

さらに、今年4月、新たな挑戦として健康栄養学部が開設されます。大阪大手前キャンパス、いたみ稲野キャンパス、そしてさくら夙川キャンパスを舞台に、いよいよ本格的な総合大学としての進化を進めてその充実ぶりを示していくことになりました。
大手前大学の特色は、以上の展開の歴史に見るように、社会の要請に応え、大学に課せられた学問研究、教育の責務をどれだけ誠実に果たせるかを常に問いながら、教員、職員のご協力を得て邁進してきたことにあると思っています。

レイトスペシャライゼーション

数多くの専攻の基礎科目を学んでみてから、自分が本当にやりたい専攻を絞り込んでいく。そんな学び方を実現したのが、大手前大学の「レイトスペシャライゼーション」です。したがって入学時点で、専攻を迷っているなら、1年生の春学期と秋学期で、学ぶ内容ががらっと変わっても大丈夫。2年生の秋学期までに納得いくまで考えたうえで、自分の専攻を決められます。また、1年生の秋学期修了時までに専攻を決めることができれば、より充実した専攻科目を学ぶことができます。

22の専攻から学部を超えて科目が選べる

目標や、興味・関心に合わせて学びを創る。自分の決めた専攻以外に、学部の枠を超えて学べる。そんな学び方を実現したのが、大手前大学の「Myカリキュラムスタイル」です。各専攻の科目から、自由に選んで学び幅広い教養を身につける。そして、自分の目標や関心を絞り込み、高い専門性を追究する。そのプロセスの中で、社会人としての基礎力も修得していきます。

実践英語プログラム

学部・学科を問わず、全学生の英語コミュニケーション教育に力を入れています。すべての授業をネイティブスピーカー教員が行うLEOプログラムは、レベル別の少人数クラスで、英語が苦手でもゼロから学ぶことができます。一般科目をすべて英語で学ぶGJS、GBSプログラムでは、留学に必要なレベルの英語力を修得することをめざします。また、米国大学に編入留学し、学位を取得・卒業できるトランスファープログラムを設置するなど、あらゆるレベルに対応する大手前大学独自のメソッドが用意されています。

2016年4月 健康栄養学部 管理栄養学科 開設

管理栄養士国家試験合格者数 No.1

今、食の安全性や健康への意識はこれまでにないほど高まっています。それに伴い期待を集めているのが、食と健康のスペシャリストである管理栄養士。調理の現場はもちろん、医療・教育・ビジネスなど、管理栄養士の知識と技術はさまざまな分野で求められています。大手前大学ではこうした社会のニーズを受け、学園内の専門学校を進化させた健康栄養学部管理栄養学科を新設。専門学校が積み重ねてきた成果と独自の自由で幅広い学びをかけ合わせ、次代の社会で活躍する、新しい管理栄養士の育成をめざします。