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【メディアライブラリーCELL】第7回トークライブinCELL「近世和歌の世界〜賀茂季鷹の作品を通して〜」が開催されました。

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10月24日(木)にメディアライブラリーCELL CE104にて第7回「トークライブ in CELL」が開催されました。
今回は総合文化学部の盛田帝子先生のお話をうかがいました。タイトルは「近世和歌の世界〜賀茂季鷹の作品を通して〜」です。

五・七・五・七・七の定型表現で構成される「和歌」。和歌は、現代までおよそ1300年もの長きにわたって詠み継がれている日本で一番長生きの文学ジャンルです。今回は巻子や短冊といった盛田先生所蔵の貴重資料とともに、18〜19世紀、京の江戸文化の成熟を担った歌人・賀茂季鷹(かものすえたか)の作品世界をご紹介いただきました。

トークライブin CELL 第7回「近世和歌の世界〜賀茂季鷹の作品を通して〜」の様子トークライブin CELL 第7回「近世和歌の世界〜賀茂季鷹の作品を通して〜」の様子


上賀茂神社の神職であると同時に、有栖川宮家に仕える立場でもあった季鷹は、公家文化と庶民の生活の両者に精通した知識人。主題を語らずとも、詠み終えた時にその情景が浮かぶ雅な歌から、一首の歌の中に鳥や魚の名をいくつも埋め込んだ遊びを凝らした歌まで、様々な技巧と豊かな感性を遺憾なく発揮した歌の数々をご紹介いただきました。
季鷹の号である「雲錦(うんきん)」とは、紀貫之によって書かれた『古今集』の仮名序に由来するということ。季鷹は紅葉を「錦」に、桜を「雲」に例えた歌の神様・柿本人麻呂への敬意を込めて竜田の紅葉と吉野の桜を植えた自邸「雲錦亭」をつくるなどイメージの可視化まで行ったほど。短冊にも紅葉と桜をあしらった「雲錦模様の好み短冊」がありました。

トークライブin CELL 第7回「近世和歌の世界〜賀茂季鷹の作品を通して〜」の様子トークライブin CELL 第7回「近世和歌の世界〜賀茂季鷹の作品を通して〜」の様子


実際に季鷹によってしたためられた美しい短冊の数々を来場者の皆さんが触れられるよう披露してくださった盛田先生。板に書かれたもの、布目状の紙、金や銀の段霞模様に雲母や銀の紅葉・桜が散らされたものなど、その一つ一つはまさに職人芸。素晴らしい手仕事によって作られた短冊に美しい歌の書が躍る様は総合芸術と言えるのではないでしょうか。
200年の時を経て、いにしえの歌人が手にしたものを目の前にしているという感慨と共に、簡素なつくりのなかに凝縮された日本的な美意識に感動を覚えました。

トークライブin CELL 第7回「近世和歌の世界〜賀茂季鷹の作品を通して〜」の様子トークライブin CELL 第7回「近世和歌の世界〜賀茂季鷹の作品を通して〜」の様子

※第7回トークライブinCELLは学内限定でライブ配信をしました。


 
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