男性看護師のススメ

人を支えたいと考える男子高校生が看護師をめざす3つの理由

01.年々増え続ける男性看護師とその社会的ニーズ

対象者が多様化する現在の医療現場では、大柄で力の強い対象者や同性にケアをしてほしいと要望される男性対象者など、男性の看護師が必要となる場面が増えています。同性のほうが話しかけやすい、不安な気持ちなどを相談しやすい、そんな対象者の思いに寄り添うためにも、男性看護師のニーズは今後ますます広がる可能性大!

02.男女かわらずキャリアアップに期待できる職業

看護師が女性の場合、結婚や出産などのライフイベントでキャリアが一時中断されてしまうことも少なくありません。一方で、男性看護師はライフイベントに左右されず、継続して働くことができるだけでなく、大学院への進学をめざして更なるキャリアアップも。医療現場の管理職として活躍するだけでなく、さまざまな現場で重要な仕事をまかされ、昇進できるチャンスがあります。

■ 小児科 子どもだけでなく、不安をかかえる父親や母親の相談相手にもなります。
■ 整形外科・泌尿器科 自力で働けない対象者や、リハビリテーションを行なっている人が多いため、ベットや車椅子に 移動するときのサポートを行います。
■ 精神科 精神的に不安定な対象者に寄り添います。
■ 手術室 12時間近くかかる長い手術や緊急搬送時の対応を行います。

03.勤務先は病院だけじゃない!幅広い活躍の場

男性だから、女性だから、ということはないものの、それでもやはり救急外来やオペ室、脳神経外科など集中力と体力、冷静な判断力などが求められる診療科で男性看護師が必要とされることも少なくありません。男性が看護師の資格を取得することで、民間企業や空港の検疫所、市役所の保健福祉課など幅広い業務に就くチャンスも生まれます。

病院・診療所等の医療機関

外国人対象者の受け入れ機関として
認定された医療機関(JMIP認証制度認定)

空港検疫所などの検疫官(看護師)

訪問看護ステーション・在宅サービス
事務所・高齢者向け施設等

民間企業(産業看護師)

国際看護学部の未来予想図

僕だからこそ、できるシゴトがここにある。

Vol.1 看護の仕事と広がる活躍の場

中口 尚始(ナカグチ ヒサシ)

学歴
京都府立医科大学医学部看護学科(学士)
学位
神戸大学大学院保健学研究科(修士)
看護師時代のお勤め先
京都府立医科大学附属病院
現在
大手前国際看護学部 設置準備室
※開設後は大学教員として勤務予定
インタビューを読む

看護の仕事は、治療に関することだけではなく、対象者に寄り添った本当に幅広い仕事、「ケア」や「サポート」が必要

当大学に勤務する以前、小児病棟で働いていました。そこでは胃や腸などの病気、交通事故などによる外傷などさまざまなケースにある子どもの看護をしていました。

外で学べない分、「遊ぶ」「人と関わる」といった社会的な側面も含めた心身の成長発達のサポートなどさまざまな角度から対象をケアし、生活介助だけでなく、検査や治療で不安な心を支えるなど心理的なサポートも行っていました。

多くの業務に追われながらも、目の前の対象者の視点に立ち、どのような支援が必要か常に考えるなど、人への思いやりが大切になる仕事だと思います。

小さな子どものパパから思春期の男の子まで同性にも頼られ、対象者の不安に寄り添うことができる

特に女性だから、男性だからということはありませんが、たとえば思春期の男の子の対象者が女性の看護師に相談しにくい内容でも、同性の自分には話しやすいということはあるかもしれません。また、対象者のお父さんの不安に寄り添い、相談相手として心理面で頼られる場面もこれまでに多くありました。同性ということで話しやすい、より「近しい」存在として対象者やそのご家族と向き合うことも出来ると思います。

看護師という職業柄、まだまだ女性が多いイメージがあるかもしれませんが、多様化する対象者の方々に寄り添い、ケアするためにも、男性の看護師が必要とされる場面は今後ますます増えてくると思います。

医療の現場だけでなく、一般企業や役所などさまざまな分野に看護師の資格や「学び」が活かせる!

人の生死に関わる仕事や血を見るのが苦手、という方にも、看護師にはさまざまな働き方があるので、おすすめの職業です。実は看護師になる、イコール必ずしも医療ドラマのような切迫した場面で働く、ということではありません。

国際看護学部で身につけた知識や技術を活かし、医療機器メーカーや医療系出版会社、製薬会社といった企業、シニア向けのサービスや介護施設、空港の検疫所、産業看護師など、幅広い分野への可能性を拓くことができます。さらに看護師の免許に加え、保健師や専門看護師などの資格を取得しキャリアアップすることで、市役所の保健福祉課や保健所に勤務したり、専門分野のエキスパートとして活躍する、といった道もあります。

このように看護師は、自分の性質に合ったやりたい仕事を見つけてチャレンジができる、さまざまな活躍の場がある資格だと思います。

人に「やさしく」なるために人にやさしくありたい、人の役に立ちたいと思うこと

看護師という仕事柄、さまざまな役割が期待されますが、中でも「相手へのやさしさ」も非常に求められます。対象者やご家族の不安や、健康になりたいという想いに寄り添いながら、さまざまな角度からサポートしケアする上で、まず「相手の立場になって考える」ことが必要となります。

「相手の立場になって考える」ことが今の自分に出来ていないと思われる方もいるかもしれません。ですが「相手の立場になって考える」ということは生まれもった性格だけでなく、日常の心がけで誰にでも身につけられるものだと思います。友達や家族などの周囲の人がどのように過ごし、どのようなことに困っているか、その人たちの日々の変化や気持ちを見逃さない様にアンテナをはり、自分は一体何が出来るのかを考える習慣をつけることがとても重要だと思います。

国際看護学部で学ぶ意義、身につけることができる、多様性への「対応力」

「国際」看護、と聞くと、海外の医療現場などをイメージされる方も多くいるかもしれませんが、日本国内の医療現場においても、今後さらに訪日外国人や多様な文化的背景をもつ方々と向き合う場面が増えることが予想されます。そういった場面では、自分のもっている常識を一度脇において、自分と異なる価値観を尊重し、一人ひとりの対象者と向き合う対応力が必要となります。そのような、さまざまな個性への対応力を、日本で初めて設置される当大学の国際看護学部で身につけることは、将来的にどのような仕事に就いても強みになると思います。

少し不器用な方や勉強やスポーツが苦手な方、引っ込み思案と思われる方など、さまざまな個性の方も皆、「人のために」という思いをもって看護師として働いています。まだまだ女性が多い職場であることや、責任の重さなどから看護師を目指すことを不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、誰かの役に立ちたい、少しでもそういった思いを抱かれている方はぜひ、看護師としてその思いを実現してみませんか。

人のためになる仕事がしたいという思いが強ければ強いほど、自身が輝ける、大きな夢を掴むことができる仕事だと思います。これを読んでくださっているあなたが看護師の世界に一歩踏み入れてくださるのを、心よりお待ちしています。

Vol.2 たくさんの人との出会いが自分を成長させる

井上 勇太(イノウエ ユウタ)

学歴
徳島大学医学部保健学科看護学(学士)
学位
大阪大学院医学系研究科保健学(修士)
看護師時代のお勤め先
大阪府済生会千里病院
インタビューを読む

同性の看護師に対応を希望される対象者は少なくない、多様化する対象者に対応するためにも男性看護師は必要

私が勤めていた病院には救命救急センターがあり、男性看護師が多く従事していました。こういった現場では、交通外傷など重症な対象者を目前にしても、動じることなく淡々と治療に専念することができる心の強さ、冷静さを持っていることが大切です。

現場では何かと力仕事も必要になりますし、緊迫した場面ではドクターの指示や語調も強くなる分、精神力も必要となります。そのため救命救急では男性看護師が多く働いていました。

男性対象者の視点から考えた場合、私がいた泌尿器科での看護をはじめ、日々の保清援助も実は同性の看護師を希望される方も多く、何もおっしゃらない方もやはり異性の看護師が行うケアに対し我慢されている場合もあります。そういった同性の対応が好まれる身体的なケアのほか、心のケアの面でも、今後、対象者やそのご要望が多様化するにつれ、ますます男性看護師を希望される機会も増えてくると予想されます。

医療ドラマのような現場だけでなく、心あたたまるさまざまな現場、仕事がある

看護師の仕事は医療ドラマで観られるような仕事だけではありません。救命救急のような緊迫した現場は苦手に感じる方も、福祉や訪問看護の分野であれば、対象者の生活に踏み込み、人として丁寧に向き合うことが求められる分、やりがいを感じられると思います。私自身、7年間病棟勤務し術前看護、術後看護、対象者の生活背景を考慮した退院指導から、終末期の対象者の緩和ケアにも携わっていました。

そこでは一般の方々がイメージされる医療ドラマのような「劇的な場面」というよりも、もっと穏やかな日常の中で、日々対象者の痛みや不安に寄り添う看護が求められます。そういう看護に私自身、やりがいを感じていました。

認定看護師や専門看護師、さらには特定看護師など特定の分野における特定医療行為が行えるスペシャリストの道があります。専門分野をはじめ、さまざまな医療の分野で活躍できる道を拓いていけるのも、看護師資格を取得する大きなメリットかと思います。

さまざまな人との出会いが、自分自身を成長させてくれた人の心に寄り添い、もらった言葉も宝物になる仕事

元々、なんとなく獣医になりたい、という思いはあったものの、学生時代はどちらかというと部活を優先し、勉強熱心なタイプではありませんでした。そのため、担任の先生に進路指導の際、看護師の道を勧められたのがきっかけです。

まったくなんの知識もないまま医療の現場に踏み込みましたが、人と接するのが好きだったこともあり、対象者の方が、元気になって退院されたり、笑顔になって帰られるたび、この仕事を選んで本当によかったと思います。

終末期医療では精神的面のケアも大切な仕事になるので、夜勤のときなどにいろんな対象者の不安に寄り添い、お話に耳を傾けることで、対象者の精神的な支えになれることもうれしいですね。その方が亡くなった後も、そのご家族の方に感謝されることもあります。そういった日常で交わされる人と人との普通の会話や心のやりとり、何気ないよろこびや瞬間を大切にし、多くの人と共有することができるのもこの仕事の醍醐味だと感じます。

看護師になろう、と強く意識していなかった私が「こんなやりがいのある仕事はない」と思ったエピソード

まだまだ未熟な新人時代の私がミスをして、先輩看護師に酷く怒られたことがありました。ほぼ毎日受け持っていた対象者がその光景をみて心を痛めてくださったらしく、その先輩看護師に「あの子はあの子なりに一生懸命やってくれているから・・そんなに怒らないであげてほしい」という言葉をいただいたんですね。そんな風に、知識や経験がなくても、人のやさしさや思いやりに触れることができる仕事です。

もうひとつ、自身の印象に残るエピソードとしては、大きな手術をした対象者から、実習生が担当でもいいよ、と言ってくださる方がいました。容態が急変されることも多く、ご本人も辛い状況だったため、やはり、知識や経験を積んだベテランの看護師が付いたほうがいいのではないかという配慮から、私から担当を外れましょうか、と申し出たんです。でも、その方は実習生の僕に担当を外れず診てほしい、そばで見守ってほしい、とおっしゃってくださるほど信頼していただいて。

どんな状況下でも、対象者の方から心身共に頼っていただける喜び、人の役に立てるよろこびが、技術や知識がない実習生の時点でも味わえる、そんな仕事はなかなかないと思います。人と接するのが好きな方であれば、きっとやりがいを感じていただけるはずです。

さまざまな自分と違う人の価値観や考え方をとおして、自分自身を発見する

さまざまな疾患の知識や新しい技術の習得、看護の実践など、この仕事の学びは一生涯続きます。そのため、ハングリー精神や好奇心旺盛な方も向いていると感じます。女性だから、男性だから、ということはありませんが、今後、自分自身の努力の積み重ね次第でさまざまな分野で活躍が見込める仕事だと思います。

私が今働いている福祉施設をはじめ、高齢化に伴い、訪問看護の需要も増えている上、教科書どおりの看護だけでは、多様化する医療に十分に対応できない状況になっています。そうした状況下で自分はどんな看護をとおして人の役に立ちたいのか、さまざまなタイプの看護師やその考え方の違いなどをとおして見つけていただければ。

対象者の方々の目線で心身が元気になるようケアし、寄り添う力を身につけた看護師の資格をとることで、医療現場に限らず、今後幅広く社会で活躍が期待される職業だと思います。