今年も阪神淡路大震災と同じ１月１７日に、この被災を忘れないためのささやかな集いを行う日がやってまいりました。
今年は新型コロナウイルス感染症の先行き不透明に加え大学入試共通テスト日程の関係から、集う形での式典をあきらめざるをえませんが、あの日の気持ちを私たちはいつまでも忘れずに大切にしたいと思っています。

早朝に発生した大地震のことは、ほとんどトラウマに近い形で私の記憶に残っていますが、同様の記憶を多くの人たちも痛みとともに保持されているかと思います。

ただ、大学はつねに若者を迎える教育機関であり、それは未来への希望を内包するものです。未来への希望は、過去のさまざまな経験の蓄積の上に成り立っています。明るい夙川キャンパスも悲しく厳しい歴史を過去にもっている事実を、今後も若者に語り継がねばならないと私たちは考えています。

大手前大学　学長　鳥越皓之