院生メッセージ
医療現場や地域社会にますます必要とされる
人材としての成長をめざす院生に、
大学院での学びの魅力やライフスタイル、
自身の将来について語ってもらいました。
看護実践科学分野
- 看護実践科学分野 1年 仲村 礼子さん
- 滋賀県立大学 看護短期大学部出身
看護師として20年の臨床経験の中、「外国人患者に日本人患者と同等のケアが、自分はできているだろうか」という疑問に、「YES」と答えられなかったことが、進学のきっかけになりました。
大学院に来て一番刺激的だったのはジェンダー学との出会いです。自身の生き方にも大きく影響を与えてくれそうです。国境をボーダーレスに活動している先生方の実体験や広く拓かれた視点から、これまでの「常識」が常識ではないことを学んでいます。まだうまく自分の言葉で説明できませんが、自身の価値観が大きく揺らぐこの感覚も、学びの魅力だと感じています。
先生方はとても魅力的でユニークで、エネルギッシュ。そして学生の相談に親身に応じてくださいます。発表形式の授業も多く、緊張感はありますが、失敗を恐れずチャレンジする姿勢を肯定的に捉えてもらえるので、レジリエンス(resilience)も成長できそうです。
正直に言うと、以前は看護研究への抵抗がありましたし、研究と臨床現場は別という意識も少しありました。しかし、研究がいかに現場に還元されるべきものとして行われているかを知りました。今は、湧き出た疑問の背景や先行研究の理解を経て、研究のプロセスの重要性を学んでいるところです。大学院では女性の定住外国人の健康について研究しようと考えています。まだ具体的には定まっていませんが、先生方の指導を受けながら、現場へ還元できる研究へ発展させていきたいです。
臨床現場の国際化は、多言語の資料や通訳だけで整えられるわけではありません。看護や医療を提供する医療者自身が、多様な変化に自ら変容することで拓かれていくと考えています。将来のビジョンは「国際×地域×外来」がキーワードです。看護師が病院の中だけでなく、地域でも多いに活躍できるように、そして今後ますます国際化する地域の健康を支援できるように、様々な職種とつながりながら実現していく事が目標です。
私は子育て世代です。子どもが寝てから勉強することもあり、睡眠時間は少し減りましたが、楽しいと思えることなのであまり苦ではありません。週末は勉強の時間が確保しづらいため、平日の大半を研究室で過ごし、課題をクリアできるよう工夫しています。最近は子どもが「隣で宿題するわ!」と並んで勉強してくれることもあり、新しい楽しみも増えました。何かを変えたい、学びたいと思った時が、一歩を踏み出すチャンスです。このユニークな環境で、一緒に切磋琢磨できることを楽しみにしています。
公衆衛生看護実践科学分野
- 公衆衛生看護実践科学分野 1年 吉川 胡春さん
- 大手前大学 国際看護学部出身
大学時代、授業や実習を通して、地域の中には影となり、支援が行き届いていない人がたくさんいることを知りました。その方たちに必要な支援を届けられる人になりたいと思い、国際看護研究科公衆衛生看護実践分野へ進学することにしました。またグローバルな視点での学びを通して、日本人はもちろん、外国人、マイノリティーの人など、すべての人を対象とした支援者を目指したいと思ったこともきっかけです。将来は保健師として、地域のニーズに寄り添った支援ができる存在をめざしています。また世界に目を向けて活躍できる人になりたいです。
現在は保健師について学んでいます。地域住民に寄り添った支援のためには、研究を通して問題を明確にし、政策、実施が必要であると考えています。そのため、大学院では研究そのものについて学ぶとともに、まずは地域の人がどんな支援を必要としているかを明らかにする研究を行っています。
他にも、国際的な視点から海外の歴史や現状を学ぶとともに、日本で暮らす外国人の現状についても学んでいます。研究テーマはまだ明確ではありませんが、日本人だけでなく外国人を対象に、地域で必要とされている保健的支援を明確にし、政策を提案して実施したいです。
本院での学びを通してグローバルな視点を持つことができます。普段の生活だけでは知れない世界を知ること、当たり前と思っていたことが当たり前ではない違った視点に気づくことができました。
また先生方も魅力的です。今ある健康問題と向き合い、少しでも改善したいと活躍されている方が多く、私も何か社会貢献ができればと刺激をもらっています。先生方は様々なネットワークから、学会や研究、就職などの様々な情報を紹介してくださるため、学びと同時に多くのチャンスもいただいています。
忙しい日々ですが、学びたいことを深められる環境であること、また看護を通じて海外へのきっかけが作れる場所でもあると思っています。皆さんと一緒に勉強できることを楽しみにしています。
助産実践科学分野
- 助産実践科学分野 1年 代谷 英恵さん
- 京都光華女子大学出身
助産師の資格取得を考えていた頃、大学時代の恩師から、本大学院の設立を教えてもらいました。それまでの看護師経験を踏まえた学びができること、国際看護学を通して広い視野を持った看護実践ができるようになりたいと考え、進学を決めました。
将来は日本人だけではなく、外国人も含め、より多様なニーズに対応できる助産師をめざしています。現在は多文化のコミュニティーや出産、育児習俗について、グローバルな視点で学んでいます。めざすのは、妊娠や出産、育児に困難を抱える人を平等にケアできる助産師。卒業後は助産師として、まずは臨床で経験を積もうと考えています。
本学院では共通科目や専攻科目を問わず、自分の意見や考え、調べたことを発表する機会やディスカッションする場が多くあります。授業では国内外の様々な考えやジェンダーに対する格差問題についても知ることができます。
助産分野の院生は3名と少人数のため、先生方との距離も近く、気軽に相談ができる環境です。授業は難しいこともありますが、先生方は臨床での経験談も交えながら、わかりやすく解説して下さるため、楽しみながら学べています。これから飛び込み分娩と未受診妊婦をテーマに研究を行う予定です。
朝から授業がある日もあれば、午後のみの日もありますが、基本的には毎日午前中に大学院へ向かい、授業以外の時間は課題や研究に取り組んでいます。院生の共同研究室で過ごすことが多く、他の院生と話すなどリフレッシュしながら過ごしています。
国際看護学研究科は、自分自身の可能性を最大限に引き延ばせる環境が整えられています。私自身、もう一度学生ができるだろうかと悩みましたが、入学してよかったと実感しています。忙しくもありますが充実した時間を過ごすことができており、先生方や院生仲間のおかげもあって、モチベーション高く学べています。受験の時は大変なことがあるかもしれませんが、どうか体調に気を付けてがんばってください。