大手前大学
OTEMAE UNIVERSITY INSTITUTE OF GLOBAL NURSING 大手前大学 国際看護研究所

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日本発の「国際」を標榜する看護学部として2019年4月から開学しました。

この学部は、論理的、実践的知識を身につけ、的確に行動できる人材を育成すること、
多様な価値観、伝統、生活様式を持つすべての人々に
公平に公正なヘルスケアを提供できる人材を育成することをめざしています。
そのために、言語や文化の違いにかかわらず、
多様なすべての人が医療の現場や地域社会で健康な生活を享受できるように、
英語を中心としたグローバルコミュニケーションができる人材を育成することを
使命としています。
その看護学部が設置した本研究所の目的は大手前大学の使命である、
「教育と研究を通じて地域と連携し、地域発展に尽くすとともに国際社会に貢献すること」を
具現化することです。
より具体的な目標として
国民の健康に資するために専門的研究を行うこと
地域と連携し地域および国際社会に貢献すること
つまりは、Think globally, Act locallyを実践するプラットフォームとして活動しています。

Initiatives

国民の健康に資するために専門的研究を行うこと 地域と連携し地域および国際社会に貢献すること これが、国際看護研究所の使命です。

大手前大学 国際看護研究所の
開設経緯と期待する役割

2019年4月、大手前大学に国際看護研究所(Otemae University Institute of Global Nursing:IGN)を開設しました。
同研究所は、International Learning Collaborative(ILC)と、The Otemae University Implementation Center(OUIC)の国際的な看護研究活動を主な目的として、次世代育成に向けた活動を展開しています。

出会いは本学国際看護学部長である鈴井江三子教授のイギリス留学(英国テムズバレー大学大学院)時代。イギリスで助産師として初めて博士号を取得したDr. Lesley Page教授に師事していました。
その恩師から、現フリンダース大学副学長(元アデレード大学看護学部長)でILC創始者でもあるDr. Alison kitson教授を紹介され、その後Dr. Alison kitson教授は、国際的な活動や研究での交流を通じてILCの理念や社会活動への共通認識をもち、研究者としての資質や考え方に共感したDr.Alan Pearson教授を、鈴井教授に紹介しました。
これらのご縁を契機に、鈴井教授はILCメンバー、JBIメンバーとして活動していき、精力的に国際的共同研究の成果を報告してきました。

後進の育成にも力を注ぐ鈴井教授は、ILCの理念である「最新の研究が患者さんの利益に直結する」を日本でも浸透させる、また、世界的研究者とのコラボレーションの楽しさを後進に伝えるという想いを実現するために、国際看護学部長の就任と同時に、ILCとJBIを内包した国際看護研究所を開設し、初代研究所長である西村直子教授にその任を託しました。

JBI・ILCのカンファレンスには

国際看護研究所所員が参加しています。


カンファレンスに参加した

所員のコメントをご紹介します。


JBI

conference 2019

[オーストラリア開催]

木村 聡子

「Oh, you work with Emiko, it’s so nice」
JBIカンファレンスに参加して多くの参加者からかけられた言葉です。皆さんに温かくお声をかけていただき、鈴井先生が築いてこられたメンバーとしての繋がりの深さや和を実感しました。
その繋がりは、大手前大学国際看護学部としてMOU提携や海外からのセミナー講師の招聘など随所で感じることができます。また、JBIシステマティックレビューはヘルスケアの実現をめざしており、学会では、よりよい社会を目指す研究者たちの想いにも触れることができました。
JBIの考え方や手法は研究、教育だけでなく社会貢献につながっています。それを実現できるJBI Implementation center日本支部の1つ(全国3か所)に所属できることを大変感謝すると同時に誇りに思っています。

ILC

conference 2019

[デンマーク開催]

横田 知子

カンファレンスに参加して一番に感じたのは、「患者満足度に焦点を当てている」ということでした。それは、参加者の熱意からも感じましたが、何より実際にヘルスケアを受けた当事者からフィードバックをもらう時間を設けていたからです。
患者満足度に貢献するためには一方通行ではなく双方向から考えを巡らす必要があることを改めて実感しました。 また、ILCの理念やファンダメンタルケアの概念をどう臨床に還元し具現化できるかを、研究者だけでなく、ヨーロッパの各国から集まった看護協会スタッフ、看護部長の皆様とともにディスカッションしました。研究・臨床現場・教育が同じ方向を向き徹底討論した時間は、とても有意義なものでした。
現在はファンダメンタルケアナーシングのエビデンスを学術的にまとめていくことを国際共同研究としてすすめています。

JBI|大手前大学インプレメンテーションセンター

JBIは根拠に基づくヘルスケア実践(Evidence Based Health Care Practice)を世界的に推進することを使命としたオーストラリアに本部を置く研究所です。「ベストプラクティス」を実現するために研究者、科学者、医療専門職が国際的に協働する組織となっています。

現在世界の40か国に70以上のセンターがあり、本センターは2019年3月に日本で4番目の支部として活動を開始しました。対象者にとって、最善のヘルスケアを実施するための意思決定がエビデンスに基づいたものとなるように活動しています。

エビデンスを作り出すシステマティックレビューを行える研究者や臨床家を育成するセミナー(comprehensive systematic review training program:CSRT)を年1回開催しています。また、臨床でエビデンスを実践するための6か月間コース(Evidence based clinical fellowship program: EBCFP)を実施し、様々な医療機関等と協同しています。臨地においてエビデンスが定着し、実用可能な形に導く重要な役割を担うことをめざしています。

JBI The Otemae University Implementation Centre A JBI Affiliated Group

ILC|International learning collaborative|国際共同研究機関

International learning collaborative(ILC)は、国際看護研究所の国際共同研究機関です。ILCは、最新の研究が対象者の利益に直結するケアにいかされるように研究者と臨床家が協力する活動をしています。
さらなるヘルスケアサービスの向上をはかるため、Fundamental of Care(基本的なケアの枠組み)を提唱しています。

2008年以来、年に1回の国際学会を開催しており、イギリスをはじめ、デンマークなどのヨーロッパでも医療機関や大学機関が共同し、実際に医療現場でこの枠組みを活用し、ケアの質を向上する取り組みが年1回の学会で報告されています。

国際看護研究所では、この最新の知見を活用しながら、海外の研究者と協働し、看護基礎教育の向上に取り組んでいます。

JIGN|Journal of Otemae University Institute of Global Nursing|大手前大学国際看護研究所研究集録

年2回刊行
大手前大学国際看護研究所研究集録は、国民の健康に資するために専門的研究を行うこと、地域と連携し地域および国際社会に貢献することという国際看護研究所の使命を果たすため、看護学の発展に寄与する教育・研究成果を広く社会に公表することをめざしています。

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国際看護教材開発

日本初の国際看護学部では、1年生から4年生まで英語を主としたグローバルコミュニケーションを継続的に学修できるようにカリキュラムを構成しています。国際看護学演習や国際看護学実習という国際看護学領域の教員が担当する科目と、基礎、成人など7領域の専門科目でも連携して多言語問診票などを用いて、多様な人々へ看護を提供できるような内容を教授しています。「看護はすべての人々のために」をモットーに、看護専門職が利用できる教材を広く社会に発信できるように活動しています。

リカレント教育

質の高い看護、国民の健康に寄与する研究、グローバルコミュニケーションが取れる人材の育成をめざす研究所のビジョンを具現化する部門です。インターネットの普及で、これまで以上に、世界中で看護研究が驚異的なスピードで発表されています。エビデンスに基づいた実践のもととなっている研究論文は英語であることが多いですが、日本では英語へのハードルの高さからその知見を現場で共有しきれていない現状があります。英語に親しむことから始め、本邦の教員が看護研究を、看護専門職が実践している看護を世界に発信できるようなそんな世界の実現をめざしています。