「アタラシイ」看護とは?〜学部長メッセージ〜

求められるのは
多様性への理解・受容と支援

国際看護学部 学部長・教授・博士(保健学) 鈴井 江三子

プロフィール:
岡山大学附属助産師学校卒業。助産師として15年間勤務後渡英。英国テムズバレー大学大学院助産学修士課程修了。
修士(助産学)。大阪大学大学院医学系研究科博士後期課程修了。博士(保健学)。川崎医療福祉大学、兵庫医療大学教授を経て2019年より国際看護学部 学部長就任・教授。アフリカや欧米諸国等において母子の健康支援や子どもの人権を守る研究を多数。JBI-Kobeセンター長、International Learning Colaborationの国際看護共同研究実施など。

これからの医療を担う「グローバル人材としての看護師」の育成をめざします。

「国際看護学部」で育てたい人物像

現代社会では世界のさまざまな地域に暮らす人々が国境を越えて行き来しています。それに伴い、日本の医療現場でも定住外国人や訪日外国人が増え、グローバルな視点を学んだ人材が必要とされています。本学の学生にはまず、症状だけでなく対象者が置かれている状況や環境を認識したうえで、相手の気持ちを尊重しながら対応する、コミュニケーション能力を身につけてもらいます。そのため当大学らしい実践英語に加え、医療の現場で「使える」英語の基礎を学ぶカリキュラムを準備しています。さらに国内外の実習を通じた医療の専門知識や看護の実践力を養うことで、これからの医療を担う「へこたれない看護師」の育成をめざします。

看護の現場で使える英会話、非言語的な表現方法も併せて学ぶことで、コミュニケーション能力を養う

「国際看護学演習I~IV」という授業科目では、病状の確認や治療の説明など、看護の現場で使う英会話をロールプレイで学びます。会話だけでなく、話すときの表情や身振りも交えた、非言語的な表現方法も併せて具体的に指導する予定です。学生に求められるのは、流暢な英語を話すことのみに焦点をあてるのではなく、英語というツールを使って対象者と向き合い、相手の求めることを理解すること。日本語を母語としない対象者が、病気や怪我で心身ともに弱っているときに、英語や、やさしい日本語で対応することができれば、対象者の不安な気持ちを和らげることができます。

看護の現場で出会うあらゆる課題に対応できる知識、技術とあきらめない精神力を身につけてもらいたい

多様性への深い理解と受容、そして寄り添う力、相手が何を求めているかを思考する力を養う

私自身、若い頃に海外留学の経験があります。当時はまだ日本人に対する偏見も多く、街中ではもちろん、学びの場でも差別的な出来事を経験しました。グローバル化が進む現代の日本においても、残念ながらいまだに多くの偏見や差別が残っています。本学部の学生には、自分の言動が他者への喜びや悲しみにつながることを知ってもらいたいです。そして、差別という痛みを感じている人たちがいることを知り、「どうしたら相手に寄り添えるのか、痛みに共感できるのか」を考える力を養ってほしいと思います。そのため国内は、大阪、兵庫を中心とした総合病院から地域のNPO法人やケアセンター、海外はシンガポールやタイ、フィリピン、台湾の大学や総合病院など、多様性を体感しやすい国や地域を実習先として予定しています。

急速に変容する現代社会の中で、様々な課題に根気強く取り組む力を育成する

「理解できないことがある」という理解が、多様性を理解する上で重要です。そして、多様性をより深く認識し、支援するためには、重要になる人権意識を理解し、社会人としての基礎力をつけ、課題解決能力、コミュニケーション能力が必要です。多国籍文化の実態を経験した教員陣による、対象者が置かれている環境や立場、社会的背景や独自の文化などを含めた思考を理解するための授業に加え、4年間経年的に国内外での実習を実施。看護の基礎、演習と実習を繰り返し経験することで看護の現場で出合うあらゆる困難に耐えうる知識、技術と精神力を身につけてもらいたいと思っています。そんな「へこたれない看護師」を育て、未来の日本医療の要になる、グローバル人材としての看護師を育てることが本学部の使命です。