大手前大学

史学研究所

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史学研究所

地域の歴史・文化財研究の拠点となる史学研究所では、各専門機関と連携し、地域文化財の研究を推進。 その成果は広く公開されており、地域に開かれた研究拠点となっています。

また、2003年より文化財の三次元計測・記録・レプリカ製作を行っています。史学研究所で三次元計測した文化財を公開していきます。

史学研究所の取り組み

兵庫県地域の歴史・文化財研究から、地域密着の新しい学びを創造します。

さくら夙川キャンパスのアートセンター西側に佇む史学研究所は、1980年、兵庫県地域の歴史・文化財に関する研究を行うことを目的につくられました。その研究成果は地域社会に広く公開され、学生の実習にも活用しています。研究所を拠点とし、オープンな体制で地域文化財の研究に取り組んでいます。
史学研究所は創設以来、大坂城三の丸跡、伊丹市の有岡城跡の発掘調査などさまざまな調査・研究事業に参加し、多くの実績を重ねてきました。この伝統をさらに発展させ、兵庫県地域の歴史・文化財研究の拠点となることをめざし、新しい研究活動もスタートしています。
その一環として実施されているのが、春休みや夏休みを利用した文化財調査や、一般市民や学生を対象とした公開講座といった事業です。兵庫県高砂市や愛知県犬山市などで、これまで古墳の発掘調査や測量調査を行ってきました。公開講座も、例年多くの参加者で賑わっています。今後も、引き続きこれらの事業を実施していく予定です。
これからも、3次元レーザー計測装置や3Dプリンターといった最先端の文化財情報機器システムも駆使しながら、歴史・考古・美術史・建築史・文化財科学といった学問分野の枠を越えた調査・研究を展開し、地域社会に開かれた研究拠点をめざします。

地域の専門機関と積極的に連携し、文化財研究を推進中!

兵庫県の歴史・考古学研究において数多くの実績を持つ大手前大学では、兵庫県、神戸市、たつの市、猪名川町の各教育委員会と協定を結んできました。総合文化学部では、このネットワークを最大限に活かし、研究所の施設・設備も利用した授業を行っています。実習授業では、学生が研究所資料に直接触れることができます。

書写山円教寺の調査

姫路市にある名刹書写山円教寺の調査を続けています。3次元航空レーザー測量による寺域の確認や石造物の悉皆調査で成果をあげ、報告書も刊行しました。これからも文書や工芸資料などの調査を続け、円教寺の歴史の多面的な解明をめざします。

達身寺仏像群の3次元計測

兵庫県丹波市にある達身寺は、独特の様式をもつ平安期の仏像群で有名です。史学研究所ではハンディースキャナーを用い、全仏像の3次元データを集積しました。これによって、謎に包まれた仏像群の研究が格段に進むものと期待しています。

栃木県立博物館との協定

県外においても、栃木県立博物館と「三次元レーザー計測を利用した栃木県内の文化財調査研究に関する協定」を締結しています。これまで取り組んできた、史学研究所の文化財3次元レーザー計測の蓄積が評価され、県外機関との初の協定につながりました。埴輪、磨崖仏、近代建築といった、栃木県内のさまざまな文化遺産を計測し、これまで知られていなかった新たな発見も生まれています。

兵庫県香美町文堂古墳の研究 豪華な金銅製品が出土した横穴式石室墳 -2006~2014年

文堂古墳の墳丘と横穴式石室
文堂古墳出土の副葬品
文堂古墳出土の双龍環頭大刀

文堂古墳は但馬を代表とする横穴式石室墳(7世紀)です。昭和23年と45年に地元の方々により発掘され、大刀や金銅製品などの豪華な副葬品が出土して注目されました。史学研究所は香美町教育委員会と共同で出土品の整理と調査研究を行い、詳細な研究報告書を刊行しました。
円墳と推定され、大きな石を用いた横穴式石室の中から、金銅装の大刀3本や馬具、多数の須恵器などが出土しています。古墳と出土品はそれぞれ兵庫県指定の史跡名勝天然記念物と有形文化財に指定されました。日本海に通じる交通の要衝地に位置しており、王権と深く関わりをもった人物の墓と推定されます。

大手前大学史学研究所・香美町教育委員会 2014 『兵庫県香美町村岡 文堂古墳』大手前大学史学研究所研究報告第13号

兵庫県たつの市龍子三ツ塚古墳群の研究 三角縁神獣鏡出土古墳の調査 -2006~2008年

龍子三ツ塚1号墳の墳丘
龍子三ツ塚1号墳出土 土器・器台

龍子三ツ塚古墳群は兵庫県たつの市揖西町と揖保川町にまたがって所在しています。この古墳群は比較的古くから知られており、過去に三角縁神獣鏡2面などが出土した1号墳(前方後円墳)が有名です。
史学研究所では、龍子三ツ塚古墳調査団を組織して2006~2008年度に調査を行い、1・2号墳の正確な墳形・規模、残された埋葬施設の構造を詳しく調査しました。1号墳には山陰系の円筒形器台が並べられていたことが判明し、畿内や山陰とつながりを持った地域支配者の姿が浮かび上がりました。

大手前大学史学研究所・龍子三ツ塚古墳調査団 2010 『龍子三ツ塚古墳群の研究-播磨揖保川流域における前期古墳群の調査-』大手前大学史学研究所オープン・リサーチ・センター研究報告 第9号

神戸市北区南所3号墳の調査 精美な横穴式石室墳 -2000~2002年

南所3号墳の横穴式石室全景
南所3号墳の横穴式石室

南所(みなみんじょ)3号墳は、兵庫県神戸市北区道場町にある古墳時代後期の古墳です。2000~2002年度の3年にわたり、史学研究所が発掘調査を行いました。
径18m、高さ2.5m以上の円墳で、横穴式石室と石棺の2つの埋葬施設があります。横穴式石室は比較的小さな方形の石材を多段積みした精美な造りのものです。奥壁からみて左に袖部をもつ左片袖式の石室であることも特徴です。
石室内からは武器、馬具、装身具、土器などの副葬品が出土しました。時期は6世紀中ごろに位置づけられ、この地域の横穴式石室の中でも最も古い例に数えられます。

大手前大学史学研究所 2009『神戸市北区道場町 南所3号墳』大手前大学史学研究所オープン・リサーチ・センター研究報告第8号

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