
わたしたちの「ゆさぶる ささる 胸を打つ」
大手前大学での学びと体験を通してかなえる「ホテル経営者」の夢

リンリンライン
幅広い知識を吸収するために大手前大学を選択
私はミャンマーに住んでいたころから旅行が趣味で、家族とも頻繁に行っていました。そんな中、10代のころに訪れたある観光地で、ひどい乗り物酔いに襲われたことがあります。宿泊したホテルで気分が沈んでいる私に、スタッフの方はとても親切に接してくださり、おかげで旅を心から楽しむことができました。この経験を通して「こんな素敵な人たちが存在する世界をもっと広げたい」と強く思うようになり、いつしかホテルオーナーを志すようになりました。
訪日後にホテルやブライダル業界の専門学校に進むか、経営を学ぶか悩んでいたところ、同郷の先輩から大手前大学への進学を勧められました。専攻した学部の垣根を越えて学びたい授業が受けられる「クロスオーバー」という本学独自の教育制度を知り、ホテル経営に携わる幅広い知識を得たいと考えていた私は興味を持ちました。さらに入学するタイミングで、ちょうど経営学部が新設されることに。運命を感じ「ここしかない!」と思い入学を決意しました。現在は、実際にさまざまな企業に訪問し、直面している課題や解決方法を自分たちで導き出す「PBL」の授業を通して、実践的な経営を学んでいます。

最近は、経営学だけでなく、クロスオーバーのカリキュラムを最大限活用し、今の自分に必要だと思う授業も積極的に受講しています。大手前大学の授業はユニークで実践的なものが多いように思います。例えば「観光」に関連するものでは、ホテルの方から自社の特徴やビジネス戦略などをレクチャーしていただく授業や、学生たちで組んだ旅行ツアーの工程表をウェブに公開し、お客様から申し込みがあれば実際に同行するといった授業も開講されています。とても有意義で、独創的な内容だと思いませんか。
また、語学力もホテル業界において欠かせないスキルのひとつです。私は「あらゆる国のお客様と、より親密なコミュニケーションが取りたい」という思いから、現在は英語・日本語を含めた4カ国の語学を受講しています。覚えることが多く苦労は絶えませんが、大手前大学の授業では、座学の合間にゲームを取り入れるなど、楽しんで学べる・話せるように工夫が施されており、私も肩の力を抜いて勉強を継続できています。
大学内から広がる人脈と実践の輪
現在は、ホテルでのアルバイトにも力を注いでいます。この決断へ辿り着くにあたり、大手前大学の特長のひとつである「1on1リフレクション」制度が大きな影響を与えてくれました。本学では年に2回のペースで担任の先生と面談ができます。それ以外でも、希望すればさまざまなジャンルに対して造詣が深い先生方と、何度でも面談が可能です。私はこの制度をよく活用しており、夢を実現するための個人的な相談にたびたび乗っていただきました。ホテル業界に精通した先生に「アルバイト」という選択肢を提案していただいたのも、この制度がきっかけです。
最初に先生にご紹介いただいたホテルでは、レストランスタッフとして従事。しかし、働くうちに違和感を覚え、4カ月ほど経ったころに悩みを再度相談しました。先生と会話するうちに、自分はもっと接客に携わりたいのだと気付き「職種を変える」という結論にたどり着いたのです。現在は別のホテルで、フロントスタッフとして働いています。次から次へと訪れるお客様に、鍵や部屋タイプ、お食事などの説明をしなければいけないため、チェックイン業務はとても大変。それでも今の仕事では、宿泊の部屋タイプやお客様に合わせた部屋の振り分け方法、ホテル業務の全体的な流れなどを俯瞰で学ぶことができ「ホテルのオーナー」として必要な知識を、一つひとつ吸収できています。

学生生活で注力していることは、もう一つあります。大手前大学には、私のような外国出身の学生や交換留学生が数百人単位で在籍しています。私は、彼らの支援を行う学生スタッフ「Team Colors」として活動しており、キャンパスでの国際交流を目的としたイベントの企画や運営サポートを行っています。スタッフの業務は、主にランチタイムに実施されるレクリエーションや、国際交流デーなどの特別イベントを企画・立案すること。私もミャンマーの文化理解を目的とした企画を担当したことがあります。そのときは、子ども向けの伝統的なゲームや、「タナカ」という化粧品を塗る体験イベントを企画しました。ゲームやイベントというと、ほんの短い時間を共有するだけのように思えますが、価値観やルールが異なる人々に同じ体験を通して楽しんでもらうためには、想像以上に試行錯誤が必要でした。国際交流の難しさと楽しさを深く実感した、貴重な経験です。より多くの学生との交流をめざして、今後のイベントでは、学外の学生も参加し、交流を深められる場づくりに取り組んでいきたいと考えています。
夢を語るプレゼンテーションで「ゆさぶる ささる 胸を打つ」を体感
私の「ゆさぶる ささる 胸を打つ」体験は、1年生のころに「大手前プレゼンフェスタ」へ出場したことです。大手前大学では、1・2年生のキャリアデザインの授業の一貫で、全生徒がプレゼンテーションを行います。トーナメント方式で勝ち上がると、最後に全学生が集まる「プレゼンフェスタ」で発表する機会が設けられます。日本語の発音に不安を抱えていた私に、先生方は粘り強く指導してくださいました。発表の場での立ち振る舞いについても丁寧に指摘いただいたことを覚えています。
プレゼンテーションをするにあたり、選んだテーマは「自分の夢」。実はこのプレゼンテーションに参加する前は、ただ漠然と「いつかホテルを経営したい」と思っていたものの、具体的な行動を起こせていませんでした。しかし、プレゼンテーションを通して何度も人前で夢を宣言するうちに、自分の言葉が自分にささり「絶対に夢をかなえたい」という思いが心の中に湧き上がりました。自分でも驚いたことに、この「ゆさぶる ささる 胸を打つ」プレゼンテーションを終えてから、夢を実現するために積極的に行動を起こすようになったのです。
今の目標は、10年後にホテルのオーナーになること。「家でも職場でもない3つめの居場所」のように、お客様にくつろいでもらえるようなホテルを構想しています。また、私自身もアルバイト先での人間関係に悩んだ経験があるので、スタッフが楽しんで働ける場所にしたいと考えています。夢をかなえるために、残りの大学生活も、引き続きクロスオーバーを活かして知識を吸収し、さまざまな経験を通して人脈を広げていきたいです。

※内容はすべて取材時のものです。(2025年1月)