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わたしたちの「ゆさぶる ささる 胸を打つ」

一歩踏み出した留学と学びを糧に重ねたキャリア、そして転職へ

2015年卒業 総合文化学部 情報専攻(※1)
総合電子部品メーカーグループ企業 受託・斡旋職
平出 うららさん

不安から始まった大学生活が、「こんなに楽しいんだ!」と思える毎日へ

大手前大学を卒業してから10年以上が経ちました。
「どこに行っても大丈夫」。そう思えるようになったのは、大学時代に経験した留学が大きなきっかけでした。

私は高校卒業後、社会人を一年間経験してから大学に入学したため、最初はひとつ下の同級生とうまくやっていけるのか不安でした。でも実際に入ってみると、大手前大学には年齢もバックグラウンドもさまざまな学生がいて、自然と受け入れてもらえる雰囲気がありました。
オリエンテーションや必修の授業を通して友人もでき、「大学生活ってこんなに楽しいんだ!」と感じるように。一度社会に出たからこそ大学生活への憧れも強く、本当にキラキラした時間だったと思います。

総合文化学部(現在の「国際日本学部」)で、特定の分野に縛られずに幅広い講義を受けることができたのも印象に残っています。情報系の講義から小説を書く授業、映画の解説、地理学まで本当にさまざまな授業を選んで知識を身につけていきました。
私にはもともと「これをやりたい」という明確な目標があったわけではありません。だから、自分の興味に従って自由に学べる環境はとてもありがたかった。どの授業もおもしろく、大学に通うこと自体が楽しみな毎日でした。

留学での不安と孤独を越えて得られた、“どこでも生きていける自信”

学生生活のなかで大きな転機となったのは、2年生の前期に経験したイギリス短期留学です。この経験は、本学の学びの特長である「クロスバウンダリー(越境学習)」そのものでした。

留学先のリーズトリニティ大学での授業のほとんどは、 “日本人は自分だけ”という状況。英語力も足りず、授業についていくのも必死で、とても心細かったのを覚えています。
当時は日本にいる友人に電話やメールをして気持ちを保っていました。正直、「どうしよう」と思うことばかりで…。それでも、「このままではいけない」と思い、語学学校を探すことに。結果的に大学と語学学校2校に通う生活になり、とにかく忙しい毎日を過ごしました。すると、少しずつ英語が聞き取れて話せるようにもなり、不安だった気持ちが「楽しい」に変わっていきました。

そして留学が終わった頃には、夏休みを利用して一人でヨーロッパを1か月以上かけて周遊しました。途中でバスを乗り過ごしたり、宿の予約を間違えたりと、さまざまなトラブルもありましたが、そのたびに自分で何とかしていくなかで、「なんとかなる!」という感覚が身についていったと思います。
この経験を通して、「私は一人でもやっていける」「どこに行っても大丈夫」と思えるようになったことは、社会人になった今でも支えになっている大きな財産です。

帰国後も、興味を持ったことには積極的に挑戦していきました。ゼミではビブリオバトル(発表参加者がおすすめ本を持ち合い、1人ずつの持ち時間で書評した後、参加者と観客が一番読みたくなった本を決定する)の企画・運営を行いました。もともと学外のイベントに参加していたのですが、その話を先生にしたところ、「ゼミでもやってみたら」と声をかけていただき、実際に開催することに。自分が好きで続けていたことに興味を持ち、参加してくれる人がいることがとても嬉しかったです。

これから大学で学ぶ方にお伝えしたいのは、“自分から動くこと”の大切さ。
大学は自由な環境だからこそ、自ら行動すればたくさんのチャンスが得られます。一方で、自分から離れてしまうと何も得られないまま終わってしまう可能性も。たとえ面倒見のよい先生や多くの同級生がいても、自分が一歩踏み出さなければ、ただ時間が過ぎてしまうだけです。
先生や友人、大学の制度など、使えるものはどんどん活用してください。社会に出ると、これほど気軽に相談したり、さまざまなことに挑戦できたりする環境はなかなかありません。就職活動も含めて「今、一生懸命頑張ってみる」ことが、その後の人生につながっていくはずだと思っています。

“人と向き合う仕事”で活きた大学での学びや経験、そして前向きな転職へ

卒業後は株式会社マイナビに新卒で入社し、人材開発事業に携わってきました。その後、部門の分社化に伴い、株式会社マイナビワークスに在籍出向という形で勤務し、一貫して人材派遣の業務に関わってきました。

入社当初は営業職として取引先の新規開拓などを担当し、その後はコーディネーターとして新規登録スタッフの面談や求人マッチング、広告掲載の選定、選挙や官公庁に関わる入札案件の運営など幅広い業務に携わるようになりました。
仕事では、さまざまな職種や価値観を持つ方と関わる機会があります。そうしたなかで、大学時代に幅広い分野を学んだ経験が活きていると感じる場面は多くあります。「少しでも知っている」ということが会話のきっかけになったり、相手を理解する助けになったりするからです。また、目の前の出来事に一喜一憂せず、冷静な視点で物事をとらえられるようになったのも、学生時代にさまざまな挑戦を重ねた経験があったから。
業務では効率化や仕組み化も求められますが、情報系の授業で触れた考え方がベースになっていると実感しています。「どうすれば効率よく進められるか」「どうすれば仕組み化できるか」を考える視点は、日々の仕事のなかで自然と活きているように思います。

また、人材業界で10年以上働くなかでITスキルの重要性はますます高まっていると感じています。在学中に取得したMOSエキスパートやタイピング技能検定1級は、就職活動の際にも役立ちました。
さらに現在は、AIが日常的に使われる時代になりました。実際、応募書類やメールの作成にAIを活用している方を見かけることがあります。ただ、使い方によっては意図が伝わりにくくなってしまったり、印象に影響してしまったりすることもあると感じています。だからこそ、一旦しっかりと考え、自分の言葉で伝える力を身につけたうえでAIを活用できる人材が求められるのではないでしょうか。

そして、これまでの経験を活かしながら新たな環境でキャリアに挑戦したいという想いと、子育てと両立しやすい職場環境を重視し、京都に本社を構える世界トップクラスの総合電子部品メーカーのグループ企業へ転職したところです。
これまでのキャリアで培ってきた「人と仕事をつなぐ」という軸はこれからも大切にしながら、今後はグループの一員として、社員一人ひとりの仕事を支える立場で貢献していきたいと考えています。
未経験の分野に飛び込むことに不安もありましたが、大学時代に培った「まずやってみる」という姿勢や、新しい環境に適応する力が、ここでも大きな支えになっています。新しい環境だからこその学びや気づきを大切にしながら、さらに視野を広げ、自分に何ができるのかという可能性にも挑戦していきたいと思っています。

「母として、社会人として」。どちらも諦めない生き方を続けたい

今の私は、大手前大学で出会った夫と二人の娘を育てながら慌ただしい毎日を過ごしています。
仕事と子育ての両立は、正直に言うと簡単ではありません。思うように働けず、もどかしさを感じることもあります。それでも私は、「母としての自分」と「社会人としての自分」、どちらも諦めたくない。出産を機に仕事を辞める選択肢もありましたが、これまで10年以上かけて築いてきたキャリアも大切にしたいと思い、働き続ける道を選びました。

子どもが成長するにつれて、子育てと仕事のバランスは変わっていくはずです。それでも、その時々の状況に合わせながらどちらも大切にしていきたい。どんな未来になるかまだわかりません。でも、「ママも頑張るから、あなたたちも頑張って」という気持ちで、これからも娘たちとともに成長していきたいと思います。

※内容はすべて取材時のものです。(2026年8月)
※1 総合文化学部(現:国際日本学部)、情報専攻(現:現代社会学部 情報・コンピュータ専攻)、クロスオーバーとして、学部を越えて他学部の専攻を学ぶことはできますが、現在は卒業要件として「所属する学部の専攻」を主専攻とする必要があります。