わたしたちの「ゆさぶる ささる 胸を打つ」
人とのつながりが導いてくれた「心理学」の道

小田島 琳華さん
興味のあった「心理学」と幅広い学び、先生が個々と向き合う環境に惹かれて
私が心理学に興味を持ったのは、高校時代の研究がきっかけです。総合学科に通っていた私は、年に一度、自分でテーマを決めて研究を行う機会があり、「道端で声をかけられる人はどんな人か」というテーマで実験を行いました。顔を合成して印象を変えたり、アンケートを作成したりして実際にデータを取っていくなかで、「人の行動には理由があるんだ」と感じたことがとてもおもしろく、心理学を学びたいと思うようになりました。
ただ、その時点では「心理学は楽しそう」という気持ちが先行していて、自分に向いているのか、どんな分野があるのかもよくわかっていませんでした。だからこそ、心理学とともにできるだけ幅広く学べる環境に行きたいと考え、大手前大学に興味を持ちました。
オープンキャンパスで先生に研究の相談をしたときていねいに話を聞いてくださり、「無意識という視点で考えるとおもしろいよ」とアドバイスをいただいたことが今でも印象に残っています。学生一人ひとりと向き合ってくれる環境があると感じ、「ここで学びたい」と自然に思えたことが入学の決め手になりました。
先生との出会いで、「わからない=できない」が「わからないから聞いていい」に
もともと私は自信があるタイプではなく、入学してからも「ちゃんとやっていけるのかな」という不安の方が大きい状態でした。特に英語はずっと苦手意識があり、「わからないことがわからない」状態になるのが怖くて、避けてしまうこともありました。
そんな私にとって転機になったのが、1年生の必修英語の授業です。先生がどんなに細かい質問でもていねいに答えてくださり、「わからないままにしなくていい」と思えるようになりました。それまでの私は「わからない=できない」ととらえていましたが、「わからないから聞いていい」と思えるようになったことで、少しずつ気持ちが変わっていきました。理解できる瞬間が増えるにつれて、英語に対する苦手意識もやわらいでいきました。
その流れで英語サークルに入り、さらに国際交流学生スタッフ『Team Colors』の活動にも参加。最初は、留学生に声をかけることすら怖く、「英語が通じなかったらどうしよう」という不安ばかりでした。でも実際に関わるなかで、言葉だけがすべてではないと気づきました。ジェスチャーや表情でも気持ちは伝わる。「伝えようとすること」そのものに価値があるのだと感じるようになりました。
アルバイト先でも異なる言語を話す方と働く経験をし、少しずつコミュニケーションが取れるようになったことで、「通じる」という実感が自信につながりました。今では、困っている人がいたら自然に声をかけられます。これは、以前の自分からは想像もできない変化。「英語が話せるようになった」というよりも「自分でも大丈夫だと思えるようになった」ことが一番大きな変化だと感じています。
プレゼングランプリで学長賞。「やってみたい」を行動に変えられるように
大学生活のなかで大きく変わったのは、「やってみたい」と思ったことを実際に行動に移せるようになったこと。
本学には学内外を問わず挑戦できる機会が多くあり、「やってみたい」と思ったときに一歩踏み出せる環境があります。
学修サポートセンターでは、課題に困っている学生のサポートを行っています。私はもともと、利用者として支えてもらっていた立場でしたが、「自分も誰かの役に立ちたい」と挑戦しました。
また、『大手前オンラインプレゼングランプリ』にも自らエントリーし、学長賞をいただくことができました。テーマは「言葉が通じなくても意思疎通はできる」。これまでの経験をもとに、自分の言葉で伝えることができたと思います。動画編集や構成など初めてのことも多く、うまくいかないこともありましたが、先生や友人に相談しながら一つひとつ形にしていきました。「一人で頑張る」のではなく、「周りに頼りながら進める」ことの大切さも学びました。
PBL演習での経験も印象に残っています。日々のフィードバックを通して、自分の強みと弱みを客観的に知ることができました。私は完璧を求めてしまうところがありましたが、「苦手な部分は他の人に任せていい」「強みを伸ばすことが大切」という考え方に出会い、気持ちが楽になりました。この経験が、「行動できる自分」に変わるきっかけになったと思います。
大学院進学をめざして。人と人をつなぐ学びで人を支えたい
現在は、「AIとカウンセリング」をテーマに研究に取り組んでいます。AIを活用することで、悩みを抱えている人が相談しやすくなる仕組みをつくれないかと考えています。AIは、すべてを解決する存在ではなく、「誰かに話すきっかけ」をつくるもの。その先で、人と人とがつながることが大切だと思っています。
このテーマに興味を持った背景にはこれまでの経験があります。身近な人が悩みを抱えていても、誰にも相談できずに苦しんでいる姿を見てきました。少しでも気軽に話せる入り口があれば、その人の気持ちは軽くなるかもしれない。そんな想いが今の研究につながっています。
将来は大学院に進学し、臨床心理学をさらに深く学びたいと考えています。そして、カウンセラーとして人を支えながら研究者・大学教員としても活動していくことが目標です。
最後に、これから進学を考えている方へ。やりたいことや思っていることは、ぜひ口に出してみてほしいです。少しの勇気で、自分も環境も大きく変わる。それを私は大学生活で実感しました。
最初は不安でも、一歩踏み出すことで支えてくれる人に出会えます。行動することで見える景色は確実に広がっていきます。
自信がなかった私でもここまで変わることができました。その経験を、これからは誰かの背中を押す力にしていきたいと思います。
※内容はすべて取材時のものです。(2026年7月)