大手前大学

教員紹介

2020年度 講義担当教員

  1. ※印は2020年度 博士前期課程「比較文化特別研究(研究指導)」担当教員。
  2. 2021年度博士前期課程・博士後期課程「比較文化特別研究(研究指導)」担当教員については、別途、お問い合わせ下さい。

教授 太田 素子(おおた もとこ)

イギリスのヴィクトリア朝からモダニズムにかけての小説研究。特にヴァージニア・ウルフが研究対象。最近では、ヨーロッパ近代の社交の系譜の中にウルフのパーティを位置づけて考察。又、時間論、イメジャリなど従来型のアプローチの他に、当時の知的状況、特にアーサー・ウェーリーの源氏物語翻訳の受容を通して、モダニズムによる、ジャポニズム、オリエンタリズムの受容、その比較文化論的研究に関心を抱いている。主な著書は、『空間と英米文学』(共著、英宝社、1987)、『大いなる遺産―読みと解釈』(共著、英宝社、1998)、『ヴィクトリア朝―文学・文化・歴史』(共著、英宝社、1999)、『病と身体の英米文学』(共著、英宝社、2004)、『英語・英米文学の視座』(共著、大阪教育図書、2005)、『ヴァージニア・ウルフの「パーティ」空間』(英宝社、2019)など。

教授 岡 佳子(おか よしこ)

専門は日本文化史、陶磁器史。本阿弥光悦、野々村仁清、尾形乾山などの近世の京焼陶工と陶業について文化工芸史から主に研究しています。これまで20 余年にわたり、京都の尼門跡寺院に入り、古文書や美術工芸品の調査を行い、女性と仏教の問題も考えてきました。美術品などのモノを対象にしながら、そこに関わる人の文化史的な営みを考えています。主な著書は、『寛永文化のネットワークー隔蓂記の世界』(共編著、思文閣出版、1998)『国宝仁清の謎』(角川書店、2003)『近世京焼の研究』(思文閣出版、2011)『「千種」物語―二つの海を渡った唐物茶壺 』(共編著、思文閣出版、2016)

教授 尾﨑 耕司(おざき こうじ)

日本近代史を専門としています。特に幕末維新期以降、19世紀における医療や公衆衛生、救貧といった人々の生活にかかわる問題から近代における日本社会のありかたを分析しています。
近年発表した研究業績には、「長与専斎:衛生における近代性の先駆か前近代の遺産の継承者か」(原文は英文)(大手前大学論集、17号、2017年3月)、「明治『医制』再考」(大手前大学論集、16号、2016年3月)、「明治維新期西洋医学導入過程の再検討」(大手前大学論集、13号、2013年3月)、などがあります。

教授 貝柄 徹(かいがら とおる)

地理学(特に自然地理学)が専門です。琉球列島を中心にアジア、インド洋、太平洋海域のサンゴや貝化石を指標に絶対年代の測定を実施してきました。当初は第四紀の海水準変動や地殻変動などの古環境分析や地史を編むことがテーマでしたが、近年はサンゴ礁域の海岸環境のみならず、都市域の環境、産業遺産など人文地理的な分野にも興味を有しています。主な著書に『伊丹 鴻池の歴史』(共著、大手前女子大学史学研究所、1999)、『宇宙 地球 地震と火山』(共著、古今書院、2006)、『現代社会を生きるキーワード2』(共著、大阪公立大学共同出版会、2015)、『神戸製鋼所神戸製鉄所第3高炉調査報告書』(共著、史学研究所、2019)など。

教授 柏木 隆雄(かしわぎ たかお)

フランス文学では 19 世紀小説、とりわけバルザックの小説構造について勉強しています。また日本文学に関しても若い時から興味をもっていましたので、日本の近代文学がどのようにフランス文学の影響を受けてきたかについても多少の見解をこれまで発表してきました。それらの成果としては『謎とき「人間喜劇」』(ちくま学芸文庫、2000)、『交差するまなざし─日本近代文学とフランス─』(朝日出版社、2008)、『こう読めば面白い!フランス流日本文学』(大阪大学出版会、2017)などがあります。そのほかに出版事情にも関心があり、とりわけ19世紀フランスのロマン主義時代からの雑誌、初版本などを多少蒐集したり、明治初期からの出版物も気をつけて集めたりもしています。

教授 田中 紀子(たなか のりこ)

20世紀以降のアメリカの小説を専門としています。人間関係、特に親子間の感情のもつれ、孤独との葛藤、和解への希求を探っています。それらの感情における普遍性と、時代や民族および地域における特殊性を探ることに関心を抱いています。また、映画化された作品は原作の一つの解釈であることから、省略、変更、追加された箇所から原作を振り返ることにも意味を見出しています。
主な研究業績としては、『酔いどれアメリカ文学-アルコール文学文化論』(共著、英宝社)、「『われらの時代』に見る父親と息子」(神戸常盤短期大学論集)、「描かれた家族、描かれなかった家族-『武器よさらば』における反発と希求」(大手前大学論集)、「『河を渡って木立の中へ』における祖国と家族」(大手前大学論集)、「「母」を呼ぶ声-The Bell Jarにおける挫折と治癒」(大手前大学論集)、「『ハツカネズミと人間』における孤独-1992年版映画との比較を通して」(大手前大学論集)、「Smokeにおける母親と母性」(大手前大学論集)などがあります。

教授 チャン キグォン(ちゃん きぐぉん)

伝統芸能や風刺劇を研究対象とし、朝鮮半島の地域研究を行っています。伝統仮面劇には、封建時代における階層間の葛藤構造が愉快に描かれ、支配層に対する庶民の批判精神が痛快な風刺を通して表出されています。その風刺の様相を多様な観点から分析しつつ、その背景に潜む民衆意識、新旧交代の儀式性、グロテスク・リアリズムの世界を探求しています。また伝統芸能に盛り込まれている風刺と批判精神は、中近世の伝承文化としてだけでなく、現代の韓国社会においても社会風刺劇として継承され、韓国の現代政治における民主化運動に多大な影響を及ぼしてきました。最近は、その社会風刺劇の特性と役割、民主化運動の軌跡をテーマに現代韓国の社会研究にも関心を持っています。
大学院の授業においては、ことばから社会を考える視点、また言語と文化の接点に着目しながら、「異文化コミュニケーション」についてケーススタディ形式で論じていきます。

教授 鳥越 皓之(とりごえ ひろゆき)

民俗学と社会学のふたつを専攻しています。民俗学は民衆の伝統的な暮らしを研究するといえばよいでしょうか。民間信仰、口承文芸、生業、社会伝承、人生儀礼、年中行事などが研究対象になります。最近は「風の神」について調べていました。社会学のうち、私は環境社会学や地域社会学の研究を主にしてきました。「まちづくり」やNPO、コミュニティ、風景・観光あたりがキーワードでしょうか。調査地としては、外国では、グアテマラ、モンゴル、中国、韓国、イギリスなど。著書としてはつぎのようなものがあります。『琉球国の滅亡とハワイ移民』(吉川弘文館)、『水と日本人』(岩波書店)、『地域自治会の研究』(ミネルヴァ書房)、『柳田民俗学のフィロソフィー』(東京大学出版会)、『花をたずねて吉野山』(集英社新書)、『サザエさん的コミュニティの法則』(NHK新書)、また編著につぎのものがあります。『風景とローカル・ガバナンス』(早稲田大学出版会)、『環境の日本史』5(吉川弘文館)、『試みとしての環境民俗学』(雄山閣)。

教授 中島由佳(なかじま ゆか)

発達心理学、教育心理学を専門としています。ストレス対処、進路における目標達成、ひとと動物の絆の心理学が主な研究分野です。近年は特に、「小学校での動物飼育が子どもの心の発達に与える影響」に焦点づけて研究しています。主な著書として「ひとと動物の絆の心理学」(ナカニシヤ出版)、「大学受験および就職活動におけるコントロール方略の働き―目標遂行に向けてのストレスへの対処として―」(風間書房)があります。また共著として「キャリア・プランニング―大学初年次からのキャリアワークブック」(ナカニシヤ出版)、「よくわかる心理学」(ミネルヴァ書房)などがあります。

教授 丹羽 博之(にわ ひろゆき)

和漢比較文学。I 平安時代の和歌を中心とした和文作品と中国文学の比較。II 平安時代を中心に日本漢文学と中国文学の比較。III 明治の唱歌・軍歌の歌詞に見られる漢文学の影響、及び西欧文化と日本中国を中心とした東洋文化の融合の研究。IV 白楽天の人生と文学の研究。等を主な研究対象としている。
主な著書に『田氏家集注』(共著:小島憲之監修)(和泉書院)、『新撰万葉集注釈』(共著)(和泉書院)、『一海知義の漢詩道場』(共著)(岩波書店)など。

教授 森下 章司(もりした しょうじ)

専門は日本考古学。とくに日本の古墳時代を研究対象とし、関係する時代の中国や朝鮮半島の遺跡・遺物についても深い関心を抱いている。遺物の中ではとくに銅鏡に関心をもって検討を進めている。調査・研究活動では、遺跡の発掘調査や出土遺物の整理・分析など実践的な活動を重視する。入手・閲覧しやすい出版物では、『シンポジウム 三角縁神獣鏡』(共著 学生社 2003年)、『古墳の古代史』(筑摩書房 2016年)がある。

准教授 鈴木基伸(すずき もとのぶ)

専門は日本語学ですが、関連分野の言語学、日本語教育学の方もカバーしています。研究対象は主に現代日本語文法であり、これまでは、移動の方向性や出現や消失といった変化を表す「~してくる/~していく」や、程度の超過性を表す「~しすぎる」、動作の難易を表す「~しやすい/~しにくい」といった文法形式の意味・機能研究を行ってきました。
現在では、これまでの研究成果を、日本語教育の現場にも応用できないかと考え、新たな教授法や教材の開発に取り組んでいます。

准教授 谷村 要(たにむら かなめ)

専門は、情報社会学、サブカルチャー(ポップカルチャー)研究です。ネットユーザーによるUGC(UserGenerated Contents)制作の過程や、仮想空間(WEB空間)のコミュニケーションが現実空間にどう関与していくかに関心をもっています。前者に関する具体的な研究対象としては「踊ってみた」動画パフォーマー、後者の研究対象としてアニメの舞台となった場所を作品のファンが巡る「アニメ聖地巡礼」現象が挙げられます。これらの研究の延長線上として、マンガ・アニメ・ゲームなどを活用した地域活性化事業やオタク文化の研究も近年は進めています。「聖地巡礼」に関する主な調査地としては、兵庫県西宮市、埼玉県久喜市鷲宮、豊郷小学校旧滋賀県犬上郡豊郷町、静岡県沼津市が挙げられます。主な著書に『ポケモンGOからの問い』(共著、新曜社、2018年)、『地方創生―これから何をなすべきか―』(共著、創成社、2017年)、『現代社会を生きるキーワード2』(共著、大阪公立大学共同出版会、2015年)、『無印都市の社会学 どこにでもある日常空間をフィールドワークする』(共著、法律文化社、2013年)など。

准教授 西岡 健司(にしおか けんじ)

専門は中世イギリス史。とくに、中世盛期のスコットランドにおけるナショナル・アイデンティティの形成過程について、 証書や年代記、聖人伝などの諸史料を分析対象としながら、西ヨーロッパ世界全体の動きを展望しつつ、多角的に研究をおこなっている。また、中世ヨーロッパの諸地域の比較検討や、相互関係の分析をおこなう共同研究にも取り組んでいる。主著は、『スコットランドの歴史と文化』(共著、明石書店、2008年)、『中世英仏関係史 1066‐1500 -ノルマン征服から百年戦争終結まで-』(共著、創元社、2012年)、『コミュニケーションから読む中近世ヨーロッパ史-紛争と秩序のタペストリー-』(共著、ミネルヴァ書房、2015年)、『〈帝国〉で読み解く中世ヨーロッパ-英独仏関係史から考える-』(共著、ミネルヴァ書房、2017年)など。

准教授 盛田 帝子(もりた ていこ)

専門は日本近世文学、和歌文学、日本文化・日本文学全般に関心があります。特に、近世中期から明治初期にかけての歌壇史の構築のための研究を行っています。中世歌論を受け継いで歌を詠んでいた堂上歌人の時代から、地下古学の方法を取り入れて歌を詠む古学派歌人台頭の時代への転換点を18世紀後半と捉え、歌論、和歌、歌壇、歌人の人的交流の研究を進めています。とくに光格天皇とその歌壇の文化史的意義を探求しています。著書に『近世雅文壇の研究―光格天皇と賀茂季鷹を中心に―』(2013年、汲古書院)、『国立台湾大学図書館典蔵 賀茂季鷹『雲錦翁家集』』(台湾大学典蔵全文刊本5、2014年、国立台湾大学図書館)、共著に『小沢蘆庵自筆六帖詠藻本文と研究』(2017年、和泉書院)、共編著に『文化史のなかの光格天皇─朝儀復興を支えた文芸ネットワーク』(2018年、勉誠出版)などがあります。

准教授 山口 正晃(やまぐち まさてる)

専門は東洋史。特に、中国中世(魏晋南北朝から隋唐時代)の軍事制度を軸とする制度史および、敦煌写本の研究を中心として研究を進めている。前者は、長期に亙って分裂状態の継続した魏晋南北朝から、秦漢以来の統一帝国である隋唐にかけて、この「分裂」と「統一」という事象の要因について軍事制度を切り口として検討を加えている。後者は、今からおよそ100年前に敦煌・莫高窟から発見された5 ~ 10世紀の写本、すなわち当時そこで生活していた人々が日常生活で使用していた様々な文書類―後世に史料として残すことを想定していない「生」の史料―を題材として、当時の社会の実態について考察している。最近はまた、現代において敦煌写本が発見された後、世界各地に分散していったその流伝過程にも興味を持っている。

准教授 田中キャサリン(たなか きゃさりん)

アメリカのシカゴ大学大学院で日本文学の博士号を取得。専門は日本のハンセン病文学で、文学と医学、人権問題の関係について興味をもつ。一見、ハンセン病文学は特別なジャンルだと思われがちであるが、その中には自由詩、小説、短歌、俳句などいろいろな文学の形態があるし、いろいろな社会的な問題が文学の中に取り扱っている。それを検討しながら研究を深めていきたいと思っている。
主な著書は"For the Purity of the Nation : Ogawa Masako and the Gendered Ethics of Kojima no Haru" *US-Japan Women’s Journal* #50(Dec. 2016)と"Writing Ties in Japan: Family, Familialism, and children’s writing in an early twentieth century Hansen’s Disease hospital" *Japanese Studies* 36 (29 (2016)など。日本文学の解説と英訳の主著として、""Life’s First Night" and the Treatment of Hansen's Disease in Japan:A Translation and Introduction to Hōjō Tamio’s Novella「いのちの初夜」ハンセン病は日本でいかに扱われてきたか"*The Asia-Pacific Journal*, Vol. 13,Issue 4, No. 1, January 26, 2015 などがある。

准教授 石野 尚(いしの なお)

専門は生成文法に基づく統語論と言語習得理論研究です。主に、日本語と英語の統語構造(文の組み立てや文が生成されるときの規則)を対照し、第二言語の学習途上に現れる中間的な言語能力がどのような体系になっているかを調べています。誤りや困難な現象にはその背景に理由となる仕組みがあります。そのためアプローチとしては、誤りを含んだ言語体系を経験的データで実証することと、習得対象言語と母語の統語の差異から理論的に予測できると示すことを目指しています。著書に Feature Transfer and Feature Learning in Universal Grammar(関西学院大学出版会、2019年)があります。

兼任講師 芝川 治(しばかわ おさむ)

西洋史を担当するが、専門はギリシア史である。前古典期アテナイ政治史より出発したが、その後、アテナイ以外にも対象を広げている。アリストテレスの政治思想や、アルカイオス、ソロンなど抒情詩、エレジー類も講究の対象としている。近年はコリントスなど各地の僭主政や、更には日本におけるギリシア史の批評にまで論じ及んでいる。
方法は文献学的なものを主とする。在来、近代人の眼からする資料解釈が必ずしも少なくなかったのであるが、それらを能う限り払拭せんとしている。それによると、ギリシアにおける上下の較差は、従来説かれていたほどには大きくはない。また、発展論的解釈もギリシア史には即していない。著書としてはギリシア「貴族政」論(晃洋書房)がある。

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