
ニュース・プレスリリース
2025年度入学式 学長式辞(4月4日)
2025.04.07
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新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。ご家族・保護者の皆さまの喜びもひとしおのことと思います。大学を代表して、お祝いの言葉を申し述べさせていただきます。
はじめに大手前大学の歴史を少しお話しさせていただきたいと思います。本学のルーツは、1946年、初代理事長 藤井健造先生が大阪城大手前に創設した「大手前文化学院」に遡ります。大阪城内の中部軍司令部報道部の情報将校として終戦を迎えた藤井健造先生は、戦禍を被り焦土と化した大阪の地に立ち、「情操豊かな女子教育」を通じて日本を復興することを発願し、精力的にその教育の根幹を充実させていきました。
その後、文化学院は順調に発展し、1951年に大手前女子短期大学を開学。続けて1966年には西宮市夙川の地に大手前女子大学を開学。さらに2000年に女子大の男女共学化に踏み切り現在に至ります。来年2026年は大手前学園創立80周年、大手前大学創立60周年を迎える記念すべき年となります。
現在は大手前大学にはさくら夙川キャンパスのリベラルアーツ系4学部と、大阪大手前キャンパスのヘルスケア系2学部、合計6つの学部があります。さらに2027年度には7番目の情報学部の設置を構想しています。7つの学部はそれぞれ異なる学問を扱いますが、建学の精神である「STUDY FOR LIFE」(生涯にわたる、人生のための学び)は、私たちすべての教職員に共有されています。
また、大手前学園はカトレアの花をモチーフとする校章「OTEMAE FLOWER」を制定しています。お手元の入学式の式次第をご覧ください。OTEMAE FLOWERは5枚の花びらをもっていますが、その一枚一枚には、1)情熱、2)好奇心、3)知性、4)健康、5)真善美に対する憧れといった意味が込められています。最後の「真善美」とは難しい言葉ですが、「真」は真実・真理を追求していく知性。「善」は社会の幸福を実現しようとする精神性。「美」は美しいものを美しいと感じる感性を意味しています。つまり真善美とは知性、精神性、感性のそれぞれを人間として理想の状態に置くということです。
OTEMAE FLOWERの5枚の花弁の意味と重ねて考えてみれば、STUDY FOR LIFEの「人生(LIFE)」とは、「真善美に対し強い憧れを抱き、よい社会の実現に情熱を燃やす。そのために好奇心を持って知性を磨き、のびのびと健やかに成長していく人生」と表現できるでしょう。それはあなたが人生のウェルビーイングを実現していることを意味します。
そして「STUDY FOR LIFE」のもう一つのキーワードである「STUDY」は、そうした人生のウェルビーイングを実現するための「学び」を意味します。学ぶとは自己を変えていく自己創造の営みです。
自己を創造する過程で大切なのは、先ほど開幕前に放映した大手前大学のコンセプトムービーのタイトルである「ゆさぶる、ささる、胸を打つ。」です。「ゆさぶる」とは自分自身で自分の心の内を揺さぶってみることです。私たちはこのことを「内省(リフレクション)」と呼んでいます。「ささる」とは経験から学んだ教訓や持論を心にささる言葉に「言語化」することです。最後に「胸を打つ」と言語化された信念や志を「心に深く刻む」ことです。
新入生の皆さん、これから4年間、どうぞ好きなことを思う存分学び、様々な経験・体験を内省し、「ゆさぶる」「ささる」、「胸を打つ。」体験を積み重ねていってください。
明日から桜満開のさくら夙川キャンパスと大阪大手前キャンパスで共に学べることを楽しみにしております。新入生の皆さん、ご入学、本当におめでとうございます。
2025年4月4日
大手前大学 学長 平野光俊