大手前大学

最新情報

1年間のセネガル留学を終え帰国 八尾心さん

その他
 あしなが育英会の海外研修プログラムに参加し、約1年間のアフリカ・セネガル共和国での留学を終え、2月末に帰国した国際日本学部4年生の八尾心さん。新学期を前に、留学先での活動内容や感じたこと、今後の抱負について伺いました。


■入学早々のパンデミックで途方に暮れる
 八尾さんは国際関係学、特に海外の社会問題を学びたいと、2020年4月に総合文化学部(現・国際日本学部)に入学。ところがコロナ禍で目標にしていた留学の目途が立たなくなり、何を勉強したらいいのかもわからなくなってしまいます。しかし、ここで立ち止まっても仕方がないと思い立ち、1年生の頃より国連団体などのインターンシップに参加し活動を続けてきました。また現在のゼミ指導教員である坂本真司准教授に相談したことも転機に。「坂本先生との出会いが大きかったです。海外での経験豊富な先生のお話しはイメージを膨らませることができましたが、同時に経験せずにその仕事をするのは難しいと気づきました」。まず現場を知りたい、その思いが日に日に強くなっていき八尾さんは留学を決意します。


■憧れの地・アフリカ。いざ、セネガルへ
 国際協力や人道支援に興味を持つようになり、特にジェンダーについて学びたいと、男女格差が大きいイメージのあるアフリカを志願。セネガルの公用語はフランス語とウォロフ語で英語は通じません。「フランス語は苦手でしたが、これはやるしかないと腹をくくりました。留学することで変わりたい!と、空港では自信をつけた未来の自分を想像し旅立ちました」。こうして2023年3月より1年間休学し、現地での活動がスタートします。
 首都・ダカールにある、男性からの暴行被害女性たちを保護するシェルターを運営するフランス人へのインタビューなど、八尾さんはまず人脈を作ろうと最初の2ヶ月間はとにかく多くの人に会いに行きます。また、セネガルで2番目の国立大学・ガストン・ベルジェ大学(UGB)が主催した離島での環境キャンプへ参加し、塩害対策としてのマングローブの植樹、無料診療所の運営、ごみ分別の啓蒙などの活動を通し、島民たちから毎日ように感謝され、現地で活動することが自分のやりたいことだと気づきます。この経験を機に、セネガルに約200人いる日本人の活動を見ていくことにシフトチェンジ。「日本人ならではの視点を知りたい。多くの人の話しを聞いて活動を見て、国際協力の仕事をするうえで大切なことは何かを考えてみようと思いました」。その後、赤十字職員との出会いがあり、日本人が金銭サポートし共同運営する女性のためのシェルターおよび職業訓練施設の見学が叶います。熱い思いを持って活動を続ける方々に触発され、最終的にセネガルと国際協力活動の現状を見ていくこととなります。


■セネガル人に傷つけられ、セネガル人に救われる
 留学当初は、同じ日に2回もひったくりにあうなど人を信用できなくなり、日本に帰りたくなったそうですが、現地の人たちの支えがあり最後まで頑張ることができました。「セネガルには“テランガ”と呼ばれる、家族のように接する温かいおもてなし文化があり、外国人である私も受け入れてくれました。セネガル人に傷つけられたこともあったけど、結局セネガル人に救われました」。帰国の際、セネガルに自分は何か残せただろうかと考えたとき、自分がここで学ばせてもらったことに気づいたと振り返ります。


■小さな幸せに気づいた大きな変化
 「留学前はもちろん、セネガル滞在中も坂本先生には本当によく相談しました。経験豊富な先生にアドバイスをもらったことで活動ができたし、とても支えていただきました。日本では満たされなかったこともセネガルでは満たされる。何もない国ですが、小さな幸せに溢れる日々でした。一番の大きな変化は、気を遣いすぎて言いたいことが言えずにいたわたしが、自分の意見を言えるようになったこと。また行動力がつき、挑戦できるようになりました。やってみないとわからないと考えるようになり、0を1にすることができたことは大きかったです」。その言葉からは“自分にとっての国際協力を発見したい”という目標を成し遂げた自信が感じられました。
 八尾さんには現在、国際協力・支援を行う団体への就職と、国際協力の学びを深めるべく大学院への進学という二つの目標があります。卒業までの1年間を掛けて、じっくりとその答えを出していって欲しいと思います。

 いよいよ春学期がスタートしました。学生ひとり一人に、それぞれの学びと成長があることを期待し、キャンパスに活気が溢れることを楽しみにしたいと思います。

(配信元:学園広報)



★DSCN2252
4
1
3
2
5
ページトップへ