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ニュース・プレスリリース

2026年度入学式 学長式辞(4月3日)

2026.04.03

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新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。ご家族・保護者の皆様にも、心よりお祝い申し上げます。大学を代表して、歓迎の言葉を申し述べます。

今日、皆さんは新しい一歩を踏み出しました。この会場に来るまでの道のりの中で、それぞれに様々な思いがあったのではないでしょうか。嬉しさ。ほっとした気持ち。そして少しの不安。「これから自分は、うまくやっていけるだろうか。」「大学で、自分は何を見つけられるのだろうか。」そのように感じている方も、きっといると思います。

しかし、どうか安心してください。その不安は、新しい世界に踏み出した人だけが持つものです。大学とは、正解を教えてもらう場所ではありません。むしろ、自分は何を知りたいのか。自分は何者になりたいのか。その問いに出会う場所です。

今年、大手前学園は創立80周年、大手前大学は開学60周年という節目の年を迎えます。その原点は1946年。戦争が終わったばかりの大阪。戦禍を浴びた街は焼け野原でした。建物は失われ、日常は失われ、未来さえ見えない時代でした。その場所に立つ一人の教育者がいました。大手前学園の創設者、藤井健造先生です。

何もない。何も残っていない。その状況の中で、藤井先生は考えました。「これからの日本を、どうすれば立て直せるのか。」そして、その答えとして選んだのが教育でした。目に見えるものではなく、すぐに成果が出るものでもない。それでもなお、人を育てることが、未来をつくる。そう信じたのです。その想いは、80年経った今も、この大学に流れています。

本学の理念はSTUDY FOR LIFE。「生涯にわたる、人生のための学び」。
ここでいう学びとは、知識を増やすことではありません。学びとは、自分自身を創りあげていく自己創造の営みです。では、その学びはどこから始まるのでしょうか。

それは、胸の衝動です。「なぜだろう」「もっと知りたい」「自分を変えたい」ほんの小さな気持ちです。しかし、その小さな衝動が、人生を動かします。ただし、その気持ちは、ずっとは続きません。忙しさの中で、日常の中で、いつの間にか薄れていきます。

だからこそ、本学では「ゆさぶる、ささる、胸を打つ」という学びを大切にしています。
さまざまな出来事を経験し、心が揺さぶられる。その意味を言葉にする。その言葉が、自分の中に残る。その繰り返しの中で、皆さんの中に、少しずつ自分の言葉が生まれていきます。そしてその言葉が、迷ったとき、立ち止まったとき、皆さんを支える力になります。

本学には、もう一つの象徴があります。お手元の入学式の式次第をご覧ください。
OTEMAE FLOWER。

五枚の花びらには、情熱、好奇心、知性、健康、そして真・善・美への憧れという意味が込められています。真理を求めること。誰かと共に生きること。美しいものを感じること。人として、豊かに生きるとはどういうことか。その答えが、この花に込められています。

新入生の皆さん。これからの4年間で、どうか一つだけ忘れないでください。
STUDY FOR LIFEの出発点は、あなたの中に生まれた、学びたいと思う小さな胸の衝動です。それはとても小さく、とても不確かで、すぐに消えてしまいそうなものです。しかし、その小さな灯火こそが、あなたの人生を照らします。
最後に、皆さんに一つだけお伝えします。

戦後の焼け野原の中で、一人の教育者が未来を信じたように、これからは、あなたが、自分の未来を信じる番です。不安でもいい。迷ってもいい。それでも、学びたいと思う胸の衝動に耳を澄ませ、一歩だけ、前に進んでください。その一歩が、やがて道になります。

その道は、誰かに与えられたものではなく、あなた自身が、問い、学び、創りあげていくものです。
STUDY FOR LIFE。その一歩を踏み出すのは、今日、この瞬間のあなたです。
西宮夙川キャンパスと大阪城キャンパスは、それぞれ四季折々の美しい自然の姿をみせる夙川公園と大阪城公園に隣接しています。明日から桜満開のキャンパスで皆さんと共に学べることを楽しみにしております。

新入生の皆さん、ご入学、本当におめでとうございます。

2025年4月4日

大手前大学 学長 平野光俊