MV

ニュース・プレスリリース

【現代社会学部】海老准教授が「たからづかデジタルミュージアム」活用講座で講演しました

2025.03.12

ニュース
  • お知らせ
  • 現代社会学部

3月9日(日)宝塚市中央図書館で開催された「たからづかデジタルミュージアム」活用講座にて、現代社会学部 海老良平准教授が、「新時代の余暇生活~100年前の宝塚をめぐって~」というタイトルで講演を行いました。
 はじめに、明治末期から昭和初期に花開いた宝塚地区を含む「阪神間モダニズム」はいかにして形成されたかについて説明しました。大阪から神戸の間は、産業革命による大阪地区の工業化、鉄道開通などによって郊外邸宅地として開発されたことが西洋文化の浸透と相まって新しいライフスタイルを形成し、そこで発展した建築・美術・文学・娯楽などが「阪神間モダニズム」ととらえることができる、ということです。
 次に、当時の新しい余暇生活について説明しました。サラリーマン家庭(休日・出退勤が定められている、安定収入等)が誕生する時代に、都市部の過密化、大気汚染による環境悪化への健康対策として電鉄会社・メディアが郊外の海水浴場などで余暇を過ごすことを奨励したことが、休日は家族で郊外の施設で楽しむ、というライフスタイルにつながり、都市郊外型のレジャー施設発展につながった、ということです。
 宝塚はそのような時代背景の中、箕面有馬電気軌道(現在の阪急電鉄)がいち早くレジャー地域として展開した箕面地区に続き、温泉、遊園地、動物園などを擁する全国を代表する郊外型レジャー地域として発展しました。そして、その温泉で始まった少女だけの演劇は宝塚歌劇として、大阪などで開催された慈善歌劇会等によって広く認知されるようになった、ということです。
 産業の発展・西洋文化の浸透に伴う「阪神間モダニズム」の開花、サラリーマン家庭の誕生による新時代の余暇生活、都市郊外型レジャー施設の発展、という社会変化とともに歩んだ宝塚、今では「歌劇の街」として全国に知れ渡っています。

(配信元:学園広報)