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経営学入門の授業に サノヤスホールディングス株式会社上田会長を講師としてお招きしました

2025.10.30

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 経営学入門の授業は、企業や会社と呼ばれる経営組織が、刻々と変化する環境に対して「機会」と「脅威」を見出し、いかに適応しようとしているかを、経営学の知見を応用して理論的・実践的に考えることができるようになることを目的としています。10月27日(月)の授業にはサノヤスホールディングス株式会社(以下サノヤス)上田会長を講師としてお招きし「企業経営論」「リーダーシップ論」についてご講義いただきました。上田会長は、住友銀行(現三井住友銀行)常務執行役員大阪本店営業本部長からサノヤス・ヒシノ明昌(その後持株会社化してサノヤスホールディングスに改組)の社長を経て現在同社会長を務めておられます。
 サノヤスは、造船業を祖業とする創業115年の老舗中堅上場企業ですが、2021年、リーマンショックや中国・韓国の台頭により収益が悪化した造船事業から事実上撤退するという、大きな経営判断を下しました。上田会長は当時同社社長としてそれを英断されました。
 講義ではまず最初に、上田会長が出演された「関西リーダー列伝」というTV番組の冒頭部分を見て、サノヤスの概要を学んだ後、上田会長が考えておられる企業経営のキーワード「二つのカエル(原点に還る)と(考え方を変える)」、「三不の時代(不透明・不確実・変化常態化時代)」「人財重視経営(ヒトは財産)」「四方よし経営(顧客、パートナー企業、社会・未来、従業員、にとって「良い会社」)」について説明されました。特に「四方よし経営」を実践すれば企業業績が向上し、配当という形で株主に報いることができることから、株主は「四方」には含めていない、というご説明は印象的でした。
 次のリーダーシップ論では「VSOP(vitality、speciality、originality、personality)」を持っていることが大切であること、論語の「十有五にして学に志す」つまり、15歳から30歳くらいまではいろんな人との関りの中で様々な経験から学ぶことが大切であり、大学の4年間はまさにそれを実践するまたとない機会である、とのエールを頂戴しました。
 最後に、平野学長から本学のブランドメッセージ「ゆさぶる ささる 胸を打つ」になぞらえ、上田会長の「ゆさぶる ささる 胸を打つ」経験をお聞きしたところ、銀行勤務時代スイスの大学に留学された際に苦労したエピソードをご披露いただき、そこから得た教訓は「自分の主張を持つこと」「自分を見つけること」であるとお話しいただきました。学生たちにとって今回の講義は、40年以上にわたり金融・重機械工業メーカーで様々な苦難を乗り越えられた企業経営者の生きた話を聞く貴重な機会になったのではないでしょうか。

<発信元:学園広報>