ニュース・プレスリリース
【公開講座】11月講座「和魂洋才」を開催しました
2025.11.12
- お知らせ
2025年度後期公開講座は「阪神地域の文化・文学・歴史」をメインテーマとして開催します。第3回は、茶道 武者小路千家 第14代家元 不徹斎 大手前大学 客員教授 千宗守氏を講師にお迎えして「和魂洋才」をテーマに、11月8日(土)に開催しました。気持ちの良い秋晴れの空の下、130名を超える皆さまにお集まりいただきました。千宗守先生は2004年4月より大手前大学客員教授を務めていただいており、2006年には大手前大学名誉博士号を受けられるなど、本学とは縁が深いことから、今回公開講座の講師をお引き受けいただいた次第です。
ご講義は茶の湯から見た阪神間モダニズム、を中心に展開されました。冒頭、京都の「着倒れ」、大阪の「食い倒れ」、に対し国際色豊かで人の交流が盛んな神戸(阪神間)はいわば「社交倒れ」とも言えるとのご説明がありました。そもそも茶の湯は、単にお茶を飲むというだけでなく、戦国時代に茶室という限られた空間の中で政治的密談をしていたように重要な「コミュニケーションの場」の提供であり、「社交倒れ」の神戸(阪神間)との親和性は高く、特に、明治・大正期に大阪で財をなした実業家が阪神間に洋風の大邸宅を建設する一方、敷地内に和風の茶室を設けた例が多いことはその証である、とご説明されました。つまり阪神間モダニズムの「モダニズム」とは、伝統文化がその地に根付いていることが大前提にあっての言葉であり、茶の湯をとおして考えると、古き日本を捨て西洋文化を取り入れたことではなく、日本的なものを理解しつつ海外のものを受け入れた「和魂洋才」であり、このような人々が多く住んでいたことが阪神間の文化的発展につながった、とのことでした。
次回は、12月6日(土) 大手前大学国際日本学部 辻村 尚子准教授による講演となります。
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(配信元:地域・社会連携室)