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【NSTクラブ活動】学内イベント『がん患者さんにとって“食べる”とは』を開催!
2026.01.22
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■「がん患者さんにとって“食べる”とは」――患者さんを主人公にする医療を学ぶ
1月16日、大学の課外活動団体「NST(栄養サポートチーム)クラブ」は、「がん患者さんにとって“食べる”とは」をテーマとしたイベントを開催しました。当日は、神戸低侵襲がん医療センターより、がん看護専門看護師の大橋裕久子様、管理栄養士の大西清子様をお招きし、講演および事例検討を行いました。
■「食べる」を支える中心は“セルフケア支援”
イベント前半では、大橋様より、がん患者さんの“食べる”ケアの中心にある考え方として「セルフケア支援」についてご講演いただきました。医療者が正解を押し付けるのではなく、患者さん自身が主人公であることを大切にし、希望を失いかけている状況であっても、関わりの中から糸口を見出していくこと。その過程で患者さん自身の「気づく力」「取り組む力」「継続する力」を段階的に育み、患者さん本来の力を引き出していくことの重要性が語られました。
講演では、実際の臨床現場での経験をもとに、「食べられない」状態に対して単に指示をするのではなく、承認し、寄り添い、共に考えることが、患者さんの前向きな変化につながることが紹介されました。
医療者が「一緒に支える存在」であることが、患者さんの自信や医療チームへの信頼につながるというメッセージは、学生たちに強い印象を残しました。
最後に大橋様は、「10人いれば10通りの“食べる”意味がある。専門職の役割はそれぞれ異なるが、『患者さんを主人公にする』という共通の視点を持てば、職種を超えて最高のチームになれる。」と語り、チーム医療の本質と専門職としての在り方を学生たちに伝えてくださいました。
■「食べることに対する心の位置」を捉える――実践的な事例検討
イベント後半では、管理栄養士の大西様より、実際に関わったがん患者さんの症例をもとに事例検討が行われました。3学部・学科で構成された学生チームが、「自分たちにとっての『食べる』とは何か」「この患者さんにとっての『食べる』とは何か」「チームとして患者さん・家族にどのように関われるか」といった視点から議論を深め、発表を行いました。学生の発表に対し、大西様からは「実際のカンファレンスに参加しても十分通用する内容で、とても感動しました」との講評が寄せられました。
あわせて大西様は、「がん患者さんにとって『食べること』は時に大きなストレスとなる」と語られました。食べたい思いがある一方で食事を負担に感じる患者さんも多く、「食べてほしい」という医療者側の思いが前面に出ることで、かえって距離が生じることがある。一方で、少しでも食べられるようになることで、“生きている実感”を取り戻す患者さんも多いと言います。がん治療の先が見えにくい中で、「食べること」は苦痛にも希望にもなり得る存在であり、患者さん一人ひとりの『食べることに対する心の位置』を理解し、決めつけずに歩調を合わせて支援することの大切さが、学生たちに伝えられました。
■参加学生の声
本イベントで司会を務めた健康栄養学部3年生の西澤幸輝さんは「実際の経験に基づいたお話を通して、管理栄養士や看護師は多くの患者さんと関わる中で、どうしても『どう食べてもらうか』といった視点に偏りがちになりそうですが、患者さん一人ひとりにとって病気は人生の中で非常に大きなできごとであり、予期しないできごとの連続でもあり、だからこそ『食べる』ことだけでなく、その人の人生そのものに寄り添う姿勢が必要なのだと、今回の講演を通して強く実感しました。」と振り返っていました。
■「食べる」を通して人を支える専門職へ
本イベントを通して学生たちは、「食べる」ことが単なる栄養摂取ではなく、生き方や尊厳、人生そのものと深く結びついていることを、多職種の視点から学ぶ貴重な機会となりました。NSTクラブは今後も、実践的な学びと多職種連携を通じて、「食べる」ことの意味を多角的に捉え、患者さん一人ひとりに寄り添う視点を育む活動に取り組んでいきます。
(配信元:大阪大手前キャンパス学生課)