食べる喜びをすべての人へ。水耕栽培研究で、病気にあわせた栄養を持つ野菜をつくる。
  • 健康栄養
太陽光の代わりにLEDライトを使い、土なしで野菜を育てられる水耕栽培装置により、室内で気軽に家庭菜園を楽しむ人が増えています。白石斉聖准教授のゼミで取り組んでいるのは、そんな家庭用LED水耕栽培装置を活用した研究です。まず家庭用LED水耕栽培装置で育てた野菜と、畑で獲れた野菜とで、栄養成分にどのような差が生じるかの比較分析からスタート。野菜の種類ごと、装置メーカーや収穫後の経過時間の違いなど、さまざまな異なる条件でのデータ収集・分析に取り組んでいます。そしてこれらの分析結果に基づき、さらに研究を発展させるかたちで、栽培方法の違いにより栄養素の量をコントロールする技術の開発をめざしています。実際に市場では、カリウム摂取制限の必要がある腎臓病患者のための低カリウム野菜などが開発され、販売されています。そうした特定の栄養素の量をコントロールするのは、畑の栽培では難しいため、水耕栽培のほうが適していると言えるでしょう。この研究により、腎臓病患者向けの低カリウム野菜のように、病気にあわせて栄養成分を調整したいろいろな野菜が栽培できれば、制限を気にせず、すべての人に野菜を食べる喜びを提供できるはず。それが、ゼミ生たちのめざすところです。

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